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2週目勇者様は魔王ちゃんを可愛がりたい  作者: 星野 優杞
おお、勇者よ!世界を救えなかったとはなにごとだ!
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『世界の真実って厨二病っぽくないですか?』『ごめんね神様!』『ウサギのぬいぐるみ』

読んでくださってありがとうございます。閲覧、ブックマークなど励みになってます。有難い限りです。

●世界の真実って厨二病っぽくないですか?


「この世界の神は、自分の理想を遺跡に隠した。この行為も理想も全部神の厨二病で黒歴史だ。しかし一応理想は変わっていないようだ。その理想こそが俺が世界の勇者としてどう動けば良いかの指針になるだろう。」

「神様何してるんですか。」

「しかし厨二病も黒歴史も恥ずかしいだろう?神は遺跡にそれらを隠すためのめっちゃ強い敵を山ほど配置している。」

「本当に何してくれちゃってるんですかねぇ?!」


そしてそのめっちゃ強い敵自体も黒歴史なんだろ、わかってる。

黒歴史って黒歴史で塗り隠そうとかしちゃいがちだよね。


「上限突破出来るのもそういう遺跡の奥で受けられる加護だからな。」

「うーん。確かに発想が厨二病っぽいけど。」

「魔王が神の理想とする世界に必要だと言うなら、その理想を確かめに行くしかないだろう。」

「それはそうだけど……。」


良いのだろうか。少し良心が咎めなくも無い。神様の黒歴史を漁るなんて。




●ごめんね神様!


「だ、ダメですよ!!神様達だってそんなの見られたくないに決まってます!!特に魔王様には!!」


エールがそう言って私を抱きしめてくる。


「まあ、すぐに行くわけでは無い。けれど近い内に行かなくてはいけない。」

「そんなに急がなくても」

「人間側の勇者が遺跡に到達する前に。」


勇者の言葉にハッと息を呑む。

確かに、そんなに大切な所で人間の勇者と鉢合わせしたくは無い。


「そうだな……!私は行くぞ!!」

「その調子だ、魔王!!」


私は心の中で神様に謝った。




●ウサギのぬいぐるみ


「魔王に渡すものがある。」


私の角の手入れを律儀に毎日こなす勇者。私の角の艶も良くなった気がしなくも無い。

そんな勇者が手入れの後に私にそう言った。


「渡すもの?」

「第二弾だ。」


渡されたのは黒いウサギのぬいぐるみだ。垂れ耳で耳の中と目が赤い。

それは抱きしめるのに丁度いいサイズで、驚くほどにピッタリくる抱き心地だった。


「おお!」

「とりあえずこれでメインは終了した。だがこれからもウォールに頼んでお前の部屋をモコモコでモフモフにする。」


メインって何なんだろうか。ウサギのぬいぐるみを抱きしめてみる。


「何だかこのぬいぐるみ、今度は私みたいだな。」


カラーリングが黒と赤とか。

そう思って何気なく言っただけなんだが、ユーシャは気まずそうな表情をしていた。


「え?もしかして図星か何かなんですか?」

「……大切にしろ。この前のクマは寄りかかっても潰しても良い。だが、そのウサギは優しく抱きしめるだけにするんだ。」

「質問に答えてないですけど?」

「俺からの話はそれだけだ。」


勇者はそう言うと早足で部屋から出て行ってしまった。


「……どう言うことなんだろうね?」


ウサギに問いかけてみるけれど、返事なんてあるはずない。あったら大事である。


……胸の中に湧き上がってくる、叫びたいような手を無闇に振り回したいような気持ちはなんだろう。

そわそわ、ぞわぞわ、むにゃむにゃしてたまらない。

私はその気持ちのままウサギを抱きしめて背中からくまーんに飛び込んだ。

とりあえず勇者からもらったこの子達に受け止めてもらうしか無い気がした。

魔「神様が厨二病って大丈夫なのか?」

勇「過去形だ。というか誰だって黒歴史の5つや6つくらいあるんじゃないか?」

魔「だいぶ多くない?ていうか、黒歴史の時期に「世界の真実」とか「理想の世界」とか考えたの……?」

勇「響きとしては黒歴史中に考えるのにふさわしいと思うが。」

魔「それが今も真実で理想なの?!そしてそうだとして、それで大丈夫なの?!」

勇「それ自体、落ち着いてしまって言うのが恥ずかしくなっても、心の中ではずっとそれを抱えている場合だってあるだろう。たとえ黒歴史だったとしても、その時に考えたこと全てが間違ってるわけじゃないんだろう。多分。」

魔「うーん……。次回は『ココズファーム』と『魔王の加護』!」

勇「お前、加護を与える能力なんてあるのか?」

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