『魔王バトルロイヤルについて』『お前人間嫌いだろ?』『いろんな奴がいるよね』
●魔王バトルロイヤルについて
「話の前に……。おいユーシャ。お前、人間のくせに魔界についても詳しいよな?魔王バトルロイヤルについてどこまで知ってる?」
ブールの質問に勇者は少し考えて口を開く。
「今まで王がいなかった魔界で、いきなり王を立てようという話になり、一番強い奴が王になるってことで王になりたい強い連中でバトルロイヤル形式で戦った……という話だったか。」
大体合ってる。
本当に何で知ってるんだ、こいつ。
「まあ……概ねそうだな。因みに魔王様は魔族狩りが増えているのをどうにかしたいと思ってこれに参加した。」
「まともな理由だな。」
勇者はブールを見て目を細める。
「個人個人が魔王になりたい理由は重大ではない。俺が聞き出して欲しいのは、何故今まで居なかった魔王なんて存在を作り出そうとしたのかだ。」
以前にも勇者はそんなことを言っていた。
「魔王選考というか魔王という存在を作り出すこと自体に悪意があるということですか?」
エールが尋ねれば、勇者は静かに頷いた。
「魔王を作り出して一番得をするのは?」
「え?魔族とか?一致団結できるし。」
「「人間ですか。」」
おおぃ!私以外の答えがダブったぞ?!っていうか……
「人間……?」
勇者はエールとブールに頷いた。
●お前人間嫌いだろ?
「な、何で魔王を作り出すことが人間の得になるんだ?脅威にこそなれ、得になんて」
「外部に敵がいれば、内部の結束は強くなります。」
「完全な悪の存在があれば、どんな理不尽も不幸もぶつけることが出来ます。」
エールとブールが淡々と答える。
「それに、戦いというものは経済を回す。」
勇者が私を見てそう言った。
戦いとなれば、死者だって出るだろう。
なのにそれでも、あえて敵を作るのか。
そんなものが命より大切なのか。
「人間界の王は城の奥に篭って、勇者という特別な部隊を魔王に特攻させる。自分の命は危険に晒さない。そういう連中が居る。」
勇者ははっきり言いきった。
●いろんな奴がいるよね
「まあ、すべての人間がそんな奴というわけでは無い。俺のように魔王を守りたい人間もいる。」
「イレギュラー中のイレギュラーだよね?」
「魔族にだって良い奴も悪い奴もいる。人間にだって良い奴も悪い奴もいる。敵対しない者は種族とかに関係なく戦わなくて良いだろうしな。」
「個人的には未だにお前の善悪が読めないんだが。」
「圧倒的に善属性な気がするんだが。」
「圧倒的すぎて狂気の沙汰なのかなぁ……。」
魔「善……?善属性の奴が窓ガラス突き破ってくるか?」
勇「やむを得ない場合もあるだろう。」
魔「やむを得なかったかな?あの時。」
勇「次は『悪魔の笑顔ってあんまり良い予感がしないよね』と『ぬいぐるみ』だな。」
魔「悪魔?!ブール泣きしてんの?!




