『今の君には刺激が強いかもね』『ミッションコンプリート』
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●今の君には刺激が強いかもね
「さて、先程のパンはまだ序の口だったんだが。」
あれで序の口?!
「次のものはお前には刺激が強いかもしれないな。」
「な?!だ、大丈夫だ!!私は魔王だぞ?!」
「どうだろうな……。」
そう言いながら勇者に連れて行かれた場所は小綺麗な店だった。椅子とテーブルが何個も並んでいる。
店員が話しかけて驚いたが、やりとりは全部勇者がしてくれた。
「なんか今、勝手に何か決めなかったか?」
「俺の方が詳しいんだから仕方ないだろう。」
「……そうかなぁ。」
椅子に座らされる。
どうすれば良いのか視線を彷徨わせていると、勇者に待っていろと言われた。
「そういえばお前、私の攻撃は普通に効くんだよな?」
「ああ。俺はお前みたいなチートスキルじゃないからな。攻撃も状態異常も普通にくらう。」
「それ言っていいことなのか?」
「お前になら良いんじゃないか?」
何だその謎の信頼。
そんなことを話していると何かが運ばれてきた。
(な?!なんだこれは……?)
運ばれてきたものは白いフワフワしたものに、赤い……何かの実が乗っているものだった。器は透明で、そこにも赤と白の層が出来上がっている。
「美術品……?!」
「パフェだ。」
「ぱ……?」
「パフェ。」
ぱふぇ。私はそれをマジマジと見つめる。
「こ、これをどうしろと?」
「食べる。」
「はあ?!」
勇者は手本を見せるように何か長いスプーンを持って、白いフワフワと赤い果実をすくう。
「壊した!!」
「こうやって食べるものだから仕方ない。」
そんなことを言いながら勇者はぱふぇを口に入れた。
マジで食べれるのか、あれ。
スプーンは分かる。ちょっと形は違うけど、食事をする時に使う武器だ。
でもぱふぇは分からない。
壊してしまうのが勿体なくて、手がつけられない。
「アイス部分は溶けるぞ。」
「溶ける?!」
じゃあ急がなければいけないのか?!
でも、どうしよう!!
アワアワしていると勇者がため息をついた。
そして私の手からスプーンを取って、気をつかってくれたのか私のぱふぇでは無く、勇者のぱふぇを一口すくった。
「食べないと始まらないぞ。」
そうしてその一口を私の口に放り込んだ。
瞬間、目の前に星が弾けるほどの衝撃を受けた。
甘くて、フワフワでとろけて、冷たくて、ちょっと酸っぱくて……
「っ〜!!?」
言葉にならない感覚が舌から全身に駆け巡る。
「ほら、お前はこれが好きだろう。」
だからなんなんだ、その断定。
ツッコミを入れたいのに入れられない。
私は自分の前にあるぱ…パフェにスプーンを入れる。綺麗だけど、だって美味しいんだもん。仕方ない!!
一口一口を噛みしめながら私はパフェを平らげた。
●ミッションコンプリート
「こんなに美味しいものを食べさせて……お前、何が目的だ!!」
町の外れで勇者をドーンと指差しながら尋ねる。勇者は少し考えて
「あえて言えば、お前がまた俺と人間界に来たいと思ってもらうことが狙いだな。」
と言った。
それは……
(なんだこの敗北感!!)
めちゃくちゃ私の完敗な気がします。
魔「パフェ美味しい……!」
勇「今度はクレープとかも食べてみるか。まあ、お前的にはパフェが一番なんだろうが。」
魔「だからなんで断定?!あ、でもクレープも食べてみたいかも。」
勇「かも?」
魔「……食べてみたいです。」
勇「よし。次回は『町の噂』『モフモフ族のウォール』『影が薄い気がしなくもない』だな。」
魔「魔界にも帰らないとだしな。」




