『勇者様と魔王ちゃん』『上限突破』『ペットにいかがでしょう』
前回、前々回と読んでいただきありがとうございます。引き続きゆるゆるお願いします。
●勇者様と魔王ちゃん
「まあ、確かに人間が魔王というのは問題があるか。」
「勇者が魔王って時点で問題しかないわ!!」
「それに魔王って面倒そうだしな。」
確かに面倒なこともあるけど、うるさいな?この勇者。
「じゃあ俺はお前に指示を出す、裏ボスということで。」
「勇者の指示を受ける魔王が居てたまるか!!」
言葉に噛みつく私に勇者が首を傾げる。
「お前がそうだろう。」
嫌に決まってんだろ!?
「ちなみにこれが俺のステータスだ。」
勇者がそう言って何かデータを渡してくる。
そのデータを見て私は目を見張った。
勇者ステータス
レベル150
攻撃1755
防御1500
魔法1660
魔防1450
魔王ステータス
レベル89
攻撃750
防御900
魔法800
魔防600
スキル発動上限攻撃1650(相手の攻撃が1650より低ければダメージを受けない)
スキル発動上限魔法1400(相手の魔法が1400より低ければダメージを受けない)
●上限突破
「レベルって100以上あるの?!」
「あるぞ。」
変だとは思っていた。
私のステータスとスキルなら普通のレベル100の存在でも私にダメージを与えることも状態異常を付与することも出来ないはずなのだ。
「に、人間はそんなに恐ろしい手段を隠し持っていたのか……!!」
「別にそういう訳じゃないし、追々はお前にも上限突破してもらうつもりだが。」
「え?」
●ペットにいかがでしょう
「今日言いに来たことは、とりあえず明日の宣戦布告は中止だ。」
「はあ?!」
「わざわざお前を殺す準備をする理由を大々的に用意してやる必要はない。」
「そうかもしれないけど、何も言わずに攻撃をするのは正々堂々じゃないし……。」
「攻撃しなければいい。準備をして魔界の者たちの基礎戦闘力を向上させればいい。」
そうは言っても腑に落ちない。
「なんで私がお前の言うことを聞かなきゃいけないんだ!!」
そう言えば勇者は鞘に納めていた剣に手をかけて小首を傾げた。
「俺がお前より強いからだろう?」
「お前本当に人間かよ?!」
ついそう叫べば、勇者は少し苦しそうな表情をした。
(お?)
「あんなのが人間だと言うのなら、俺は人間じゃなくて良い。」
「へ?」
「というわけで、俺が人間だということは伏せて、俺をペットとしてこの城に置いてくれ。」
「ちょっと待て。」
私は頭を抱えた。
「……何故にペット?」
「可愛らしいペットには尽くしたくなるだろう?」
「お前、自分が可愛らしいとでも?」
「まあ気軽に勇者様とでも呼んでくれ。」
「気軽に様付けを要求してくるんですけど。」
「俺だって力づくで言うことを聞かせるのにはちょっと抵抗があるからな。だから、自主的に言うことを聞いてくれれば良いと思ったんだが。」
「それ、剣を持ち出してくる奴が言うことじゃない。」
勇者は少し考えてから口を開いた。
「とにかく、明日の宣戦布告は中止だ。お前の部下に水泳とか応援とか言う感じの奴らがいただろう。そいつらに話を通せば何とかなるはずだ。」
「もしかしてブールとエールのことなのか?なんで私の部下にまで詳しいだよ、お前。」
「とにかく行ってこい。宣戦布告はいつでもできる。今ここで俺に魔王の座に立って欲しいのか。」
嫌な脅し文句だな?
私はため息をつきながら渋々部下に話を通しに行った。
勇「お前って意外と素直だな?」
魔「力づくだろ。どう見ても。」
勇「そうか?」
魔「そうだよ!次のお話は『理由が思いつかなかった』です!」
勇「お前って嘘とか奇襲とか、言い訳とか下手そうだよな。」
魔「本当に失礼だよね?」




