『魔界には食文化がほぼ無い』『小細工って小さくて細かいんだから器用じゃないと出来ないよね?』
読んでくださってる皆様ありがとうございますー!
●魔界には食文化がほぼ無い
「さあ、召し上がれ。」
そう言ってエールが料理を並べてくれる。
いつも通り美味しそうなので、私は喜んでそれらを口に入れた。
「ん?」
それから勇者がこちらをじっと見つめていることに気が付く。食事にはまだ手をつけていないようだ。
「なんだ?ペットだから待てでもしてるのか?食っていいぞ。」
許可を出してみるが、勇者は眉間に皺を寄せている。そういう問題じゃないようだ。
「お前は、いつもこういう物を食べているのか?」
「そうだけど?」
もしかして食事の豪勢さに驚いているのだろうか。
「ふふん!私があんまりにも良いものを食べているから驚いたんだろう!!食材はもちろんエールの腕は魔界随一だからな!あ、もしかして高級すぎて食べ方が分からないとかか?」
「確かに食べ方は分からないな。」
仕方ない。ここは私が教えてやろう。
何か今までマウントとられてばっかりだったからか、私の方が上なことがあるとちょっと嬉しい。
「まずはこれだな。」
「この黒いごつごつした岩石みたいなやつか。」
「これは魔パンだ。自分の攻撃力を歯に込めて噛み砕け。歯が欠けそうな場合は魔法で歯の防御力をかけておくと良い。」
「食事に戦闘力が必要なのか……。」
何故か勇者に唸られてしまった。
食事に戦闘力が必要なのは当たり前だよね?
「魔族の強さの秘訣が分かった気がする……。」
勇者は何かぶつぶつ言いながら朝食を終えた。
●小細工って小さくて細かいんだから器用じゃないと出来ないよね?
「そう言えばどうして宣戦布告を中止にしたんですか?」
同じく朝食を終えたブールが勇者に話しかける。
「お前たちは人間に魔王を殺す準備を始めさせたいのか?」
「「!!」」
ブールとエールの表情が険しくなる。
「もっともっと、魔族が強くなってからでも構わないだろう。」
ブールが頭を抱えてため息をついた。
「どうやらただの変態じゃないようですね。」
「私も宣戦布告には反対だったから良いと思うわ。」
エールがそう言って勇者を見る。
「ユーシャってこのままじゃそのまま人間よね。気配をどうにかすれば魔人とかに見えると思うけど……。」
エールは少し考えると
「というわけでブール、よろしくね!」
「僕にこの変態を何とかしろと?」
「小細工はブールの方が得意じゃない。」
「小細工って言わないでくれませんか?」
ブールはため息をつきながらも、何かお守りを作り出した。
ああいう悪魔の技術は細かすぎて私にはよく分からない。私も何かいっぱい持たされてるけど。
勇「これはもう、お食事ではなく魔食事だな。」
魔「ナニソレかっこいい!」
勇「それで良いのか……?」
魔「次は『魔王即位について』だよ。別に私の親が魔王だったとかじゃ無いんだ。」
勇「ああ、知ってるぞ。」
魔「だから何で知ってるのかな?!」




