落ち葉
夢から醒めた僕は、
いつも通り朝ごはんを食べて
学校へと出かける。
「もうちょっと早起きできないの?」
いつものように玄関の前で待ってくれている
幼なじみのさゆりが僕のせいで遅刻すると、
文句交じりで出迎えてくれた。
学校の授業は退屈だ。
日本史なんかは特に退屈だ。
昔と何も変わらないこの現在で、
過去から学ぶことなんて何もないだろ。
学校も終わって放課後、
何も部活に入っていないので
普通は家にまっすぐ帰る。
でも今日はスーパーのセールだ。
卵1パック98円。かなり安い。
ってことでこの道を曲がって、
河川敷ではなく住宅街の方へ向かおう。
閑静な住宅街を歩いていると、
目の前に一匹の蝶を見つけた。
何故だか知らないがとても懐かしい気がした。
とても美しい蝶だった。
この謎の懐かしさに背中を押され
僕は気がつけばその蝶を追いかけていた。
どこかもわからない場所、
何も知らない山の中、
まさかこんなところまで追いかけて
あの蝶を見失うとは。
どうやって帰ろう、
周りを見渡してみると
そこには一軒の小屋があった