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行き倒れ少年と吹き飛ばされた自転車

「…………なんでこの道に、人が倒れるんだろ?」


そんな疑問が桜の口から出てきた。

自転車で家に帰ってる途中で「たまには近道を通ってみよう」とごく普通の理由で近道で見つけた、見つけてしまった。

周りに人はいない、辺りは夕焼けで少し暗くなった住居区域。

の道に倒れていた少年。

服装は黒くてノースリーブの長い帯らしきものがくっついた服に少年の足の長さじゃ足りなさそうなズボン、黒くて水色のメッシュが入った長い髪、はだし。


(…………どう見てもこれは)


ただの変な行き倒れてる少年だ。

そう思ってしまった。


(…………警察に言っても信用どころか不審がられるんだろうなぁ)

「…………家に連れて帰ろう、事情は藤宮さんに言ったら良いよな?」


自転車を少年から少し離れたところに降りて止めた、それから行き倒れた少年にそっと近づく。


(息は……ちゃんとしてる、心臓も動いている。生きてるんだな)


そんな当たり前の事を思いつつほっとする、少しだけ。

それから


(えっと…………警察、じゃなくて救急車を呼んだほうがいい、よな?)


と思って自転車のかごに入れた鞄に入ってる携帯をとりだそうとして




自転車と鞄が吹き飛んだ



「――――は?」


絶句、するしかなかった。

感覚そのものがそこらの人間より鋭かろうが、普通の人間―――ましてや学生と同等の精神しかない人間が「絶句しない」なんてありえないのだから。

例え精神が、心持ちが軍人であっても、遥か上空から高速で降ってきたといいようしかない人型の物体に、匂いも息遣いも脈動もない人型の物体にどう気づけたのだろうか。


「う…………そ…………だろ?」


動揺、焦り、不安、恐怖、それらの感情が入り混じった桜にとってその物体から逃げるしかなかった。

少年を担いで、逃げるしかなかった。

鞄も、自転車も、置いて逃げるしかなかった。


それぐらいしかできなかったことが後々の出会いに少しだけ関わっていく。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「…ん?なんだこれ?」


桜が少年を担いで逃げたところを遅れてから降ってきた人型の物体が追った少し後。

右目だけ前髪で隠し、刀を持ち、季節外れの浴衣と羽織を着たアルビノの青年がいた。

その青年が目にしたのは道路に先ほど出来た1m程度クレーターとそのクレーターからちょっと離れたところにある倒れた自転車とここらの学生の鞄、かすかに残る特有の魔力。

その自転車に近づき鞄の中身を開けて確かめてみる、中には手帳と財布と筆箱と携帯と、学生証が入っていた。


「………なるほど、てことは逃げたのか」


そんな事実を口にし、学生証を見て鞄にしまい込み鞄のチャックを閉めて自身の肩にかける。


「さて…………追うか」


そう言った瞬間霊体化したのち『何か』から逃げている桜という学生と探してる少年を追っていく。

これが桜との出会いに少しだけ関わる出来事。

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