四人で依頼行ってきます。前編
新ペアギルド結成してから一時間後。いきなりメンバーが二人増えた。
そいつらの名前は、「ラルサー」と、「メルリム」だ。
ラルサーについては、俺の住んでいたとこに、コイルと入れ替わりで越してきた男だ。案外俺と馬が会い、いい仲を持ったまま俺がちょい前に中央居住区に来たっていう感じだった。
メルリムは、なんと珍しいことに、なんと「メルグアス」、あのメルグアスのリザードヒューマンなのだ。(後書きで詳しく解説するから許してくだせい。)
生物学上はたしかにモンスターのメルグアスなのだが、どうしても人間にしか見えない。
そういうタイプのモンスターを「Mhm」と呼ぶ。
7種類の中で、二番目に個体数が多いのが、リザードヒューマンだ。
「久しぶりだな、メルト。お前今何やってる?」
「騎士やってるよ、ラルサー。お前は何やってんだ?」
「俺はチェイサーやってるよ?」
「「……………はい???」」
「は?いやお前何言ってんだ?チェイサーってことはセントラルの中でも指折りの能力者しかなれねぇんだぞ?」
「それがなれたんだよ。こいつのお陰でさ、な、メル。」
そう言ってメルリムという少女の頭を撫でるラルサー。
彼女は満更でもない様子で、ラルサーを見ている。仲は良いらしい。
「ところで、そのメルちゃんと、えと、ラルサーがチェイサーになったのってどーいう関連が?」
一瞬ラップみたいになったな。ラルサーの話を聞く前に、チェイサーについて説明しようと思う。
『チェイサー』、詰まることろ、追跡者。
モンスターの大規模襲撃を回避するために、モンスターの動向を追跡するのが仕事だ。職業柄、戦闘が多いので、強力な物理or魔力攻撃と硬さが無くてはまず話にならない。
チェイサーは四人で一組、しかもその一組だけで、中央居住区周辺のモンスター棲息地を探査するので、協調性も必要だ。
「確かに、そこ疑問だよな。その前に、あんたさん、メルトから聞いたよ。基本感情と魔力に対する感受性が強いんだって?あと…ん?何だこの見たことない魔術名。」
「あぁ、それはねっ……て、なんでそんなこと聞くの?」
モンスターヒューマンとは………
この世界に6種類存在する、人の姿をとったモンスター。ただ人の姿なのではなく、高度な知能を持ち、数が多いものは集団で生活し、独自の社会を形成して暮らしている。
バードヒューマン
↓
鳥類型モンスターのMHM。最も個体数が多く、人間に有効的であり、共存している。性格の差異が個体によって大きく、人間らしい。しかし、全体として働きものである。風の魔力を操れる。
リザードヒューマン
↓
爬虫類型モンスターのMHM。個体数は多いと推測されるが、確認済みの個体数は4名のみ。
土・水の魔力を操れる。
アクリエドヒューマン
↓
両生類型モンスターのMHM。主に水辺にいるため、水遊びをしている子どもたちが水中に引き込まれて、散々心配していたら満面の笑顔で戻ってくる、又は仲良くなって連れて帰ってくることがある。水の魔力を操れる。全体として子供っぽい。
フィッシュヒューマン
↓
魚類型モンスターのMHM。水中に住むため、人間と交わることはほぼないが、人間の漁師と出会うことがあり、港町では、共に暮らすものもいる。
水の魔力を最大練度で操れる。
ファンガスヒューマン
↓
細菌・菌類型モンスターのMHM。最も敵対的な種ではあるが、一度でも助けるなどをすると、行動をともにしてくれる。唯一腐食魔術を操れる。
プラントヒューマン
↓
植物型モンスターのMHM。人間と相容れることはない。自然魔術を操れる。