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百合色横恋慕  作者: 芝井流歌
第2章 ビビット編
56/105

56☆番外編〈寄稿作品4〉黒鹿月木綿稀様より

…………………………………………うぅん、朝、か…………………………………………。

カーテンの隙間から差し込んだ光にボクの目は覚まされる。んーと時間はっと…………………………………………ちょっと遅いか。

「ほら汐音、起きなって。」

向こうのベッドに眠る汐音をチラ見した後、ベッドをゆさゆさと揺らす。ほんとは身体をゆさゆさした方が汐音は起きるんだろうけど、…………………………………………し、汐音の身体に触れるなんて、恥ずかしくてできっこない。それに………………………………………………………………

(やっぱり全裸かよっ!?)

ベッドの下に雑に脱ぎ散らかされたパジャマと下着。…………………………………………きょ、今日はパステルピンクか…………………………………………。って何見てるんだボクはっ!?

改めて、ベッドの上の汐音を見る。…………………………………………こ、この掛け布団の下には、素っ裸の汐音が…………………………………………こ、ここの窪みとか直に汐音がっ…………………………………………って、だぁぁぁぁぁ!?だ、ダメだダメだダメだっ考えるなっ!?

自分のベッドにダイブしてゴロゴロと悶える。ボクの頭の中で、汐音の顔とボクの身体が勝手に合成されて………………………………………………………………って、なんで消えてくれないんだよぉぉぉぉぉ!?

「…………………………………………あーもううるさいわねっ!!寝かせろって言ってるでしょ!?」

布団をしっかりと抱きしめて汐音が飛び起きる。

「う、うるさいなこの変態汐音!!早く服着ろよっ!?」

「そっちこそうるさいわねっ、私は生まれついての裸族なのよなんか悪いかっ!!…………………………………………あ、それともあたしにプロポーションで負けてるから嫉妬してるの?みせたげよっか?」

掛け布団を少しずつ下に下げていく汐音。…………………………………………や、やめろ、見せるなっ!?

「何逃げてんのよ。ほらもっとよく見なさいよっ」

「だ、誰が見るかっ。こんの、汐音の露出狂!!」

「あー!言ったわねこのラベンダーパンツ!!」

その時、ボク達の部屋の扉が遠慮がちにノックされる。

「…………………………………………汐音。」

「…………………………………………分かってるわよ。」

布団を被ってごろんと横になる汐音。それを見て、ボクも扉を開ける。

「…………………………………………ああ、スズメちゃん。」

「あの…………………………………………ほんとに差し出がましいようですが、近所迷惑になるのでそれぐらいで…………………………………………」

「やっほーマリッカぁ!!うーん、すりすり。」

「だぁっ!?千歳っ、おま、胸を押し付けるなぁっ!?あとどさくさ紛れにボクの胸を撫でるのやめろっ!?」

「うーん、マリッカの匂い〜」

「…………………………………………瀬戸さん、仲がいいのはいいことですが、それぐらいにして置いては…………………………………………」

「あ、そーだった。」

千歳は途端にボクのことを放す。

「ごめーん、荷物そっちに置きっぱなしだった。取りに入ってもいい?」

「あー、ちょっと待ってて…………………………………………」

「うん分かった入るねっ。」

「おい千歳今のボクの返事聞いてたかっておい!?」

千歳はボクのことを押しのけて部屋の中にするりと入り込む。

「…………………………………………おやおや?おやおやおや?マリッカとしーちゃん、ついにヤッたの?わーおめでとっ。ぱちぱちぱちー」

「ヤッてないからな!?汐音が勝手に脱ぎ散らかしただけだからな!?」

「あー、もう、うるさいっての…………………………………………って、千歳…………………………………………ごめん、今退くから。」

よろよろと身体を起こす汐音。

「…………………………………………あれ?しーちゃん顔赤いよ?それに…………………………………………熱あるんじゃない?」

「ふぇ?」

千歳が、汐音のおでこに手を当てる。

「ふぇぇ、あっついよぉ…………………………………………」

「し、汐音…………………………………………」

「…………………………………………ふむ、これはいけませんね。相葉さん、部屋に戻って自分のベッドで大人しく寝てるのがよろしいかと…………………………………………。」

「え、全然大丈夫。ほらスズメちゃんも早く支度して。

さあたしも、したく、するかっ、ら…………………………………………」

汐音は、そのまま前のめりにバタンキューする。

「…………………………………………だめだこりゃ。」

「…………………………………………しょうがないですね。服を着せるので手伝って貰えますか?あと、隣の部屋に運び込むのも。」

「おっけー任せてっ。こう見えてもイチゴケース片手に走り回ってたんだからねっ、しーちゃんとマリッカがいきなりえっちしたくなってもちゃんと布団まで運んであげるから♪」

「だからヤらないっての!!」


…………………………………………あーあ、汐音が居ないと暇だな…………………………………………。昼休みになってボクは、廊下の窓に寄りかかってたそがれる。いやまだ昼だけどさ。

「ねぇどうしたのマリッカ?あっ、もしかしてあのアバズレに何かされたの?待ってて今とっちめに行くから」

「ああ待ってくれよ子猫ちゃん。そんなことしたらキミの綺麗なお手手が汚れちゃうよ?…………………………………………それに、これはボクが解決したいことだからさ。」

…………………………………………そうだ、こういう時こそボク自慢の子猫ちゃんネットワークを使えば。

「…………………………………………ねぇ子猫ちゃん?ちょっと具合が悪い時――そうだね、熱っぽい時って何が食べたい?」

「えっ、それは…………………………………………あ、甘い物とか?」

「なるほど、参考になったよ子猫ちゃん。」

いつもより気持ち多めにブレスを入れて教室を出る。…………………………………………後ろで何かがひっくり返った音がしたのは、多分気のせいだ。


(…………………………………………てか、甘いものって何がいいんだ?)

コンビニの前で考え込む。……………………甘い、甘い…………………………………………砂糖?いや違うな…………………………………………。イチゴ…………………………………………イチゴ、か。千歳に頼めば分けてくれるか?…………………………………………待てよ、それなら。

ボクは、コンビニに駆け込んで『あるもの』を買った。


「千歳、ちょっと分けてもらいたいものがあるんだけど。」

「はいはい何かな〜?ブラ?パンツ?それとも胸?」

「要らないよっ!?…………………………………………イチゴだよイチゴ。もう余ってないか?」

「んー、あるよ。冷蔵庫の中。…………………………………………おや?おやおや?その手に持ってるのは何かな何かな〜?」

「な、何だっていいだろ…………………………………………それよりイチゴ、貰ってくぞ。」

「いいよぉ〜。じゃあちぃはスズメちゃん呼んで一緒にお風呂行ってるね。」

ち、千歳のやつ…………………………………………要らん気配りを…………………………………………でも、素直に受け取っくか。

「…………………………………………ありがとな、千歳。」

「後ですりすりさせてね♪」

…………………………………………ごめん、前言撤回。


「…………………………………………おーい、汐音?」

首だけ部屋の中に差し込むと、不規則な寝息がベッドから聞こえてくる。

「…………………………………………ちっ、寝てるのかよ。」

「……………………起きてちゃ悪い?」

「お、起きてるのか。」

「…………………………………………何よ、あたしの素っ裸でも見たくなった?」

「今のとこその気は無い。」

バッサリと切って落とすと、椅子を持ってきて枕元に腰掛ける。

「…………………………………………ご飯、食べてるか?」

「…………………………………………まぁね、ちょっとだけ。」

「ダメじゃん、ちゃんと食べないと。」

「………………………………………………………………うるさいわね、余計な、お世話よ…………………………………………。」

いつもならもっとキャンキャン噛み付いてくるのに、今日の汐音はなんかしんなりしてて張合いがない。

「…………………………………………それで、何の用よ…………………………………………」

「…………………………………………汐音が弱ってるからな、こういうのなら食べられるかと思って。」

子猫ちゃんから借りたガラスの器にイチゴをたくさん盛って、上から砂糖と牛乳をかける。

「…………………………………………なにそれ。千歳とスズメちゃんの差し金?」

「…………………………………………ボクが自分で頼み込んだ。…………………………………………千歳から貰ったイチゴだけど。…………………………………………てか、ボクってそんなに信用できない?」

「…………………………………………今までの行いをよーく振り返ってみなさい?」

「…………………………………………う、うるさいなっ、食べたくないならボクが全部食べちゃうぞ。」

スプーンでイチゴをすくったところで汐音が身体を起こす。今度はちゃんと服を着てる。

「…………………………………………よこしなさいよ。」

「それが人にモノを頼む態度?」

「…………………………………………く、ください。」

「よく出来ました。」

ガラスの器をそっと汐音に渡すと、汐音はイチゴを全部潰してから食べ始める。

「…………………………………………ったく、早く元気になれよ。……………………………………………………………………………………でないと、張合いが無いし。」

汐音が咳き込む。

「ちょっ、いきなり何を…………………………………………」

「…………………………………………ダメか?」

「…………………………………………わ、分かったわよっ。早く、治すから…………………………………………治ったら、また隣の部屋で寝るからね。」

「…………………………………………待ってるよ、汐音。」

「…………………………………………う、うるさい、マリバッカ。この器、早く持っていきなさいよ。」

「………………………………………………………………はいはい。じゃあね、汐音。」

パタンと扉を閉める間際に、汐音が微かに何か言ったような気がしたけど、ボクは聞き取れなかった。


夜が明けて、いつもと同じように差し込む朝日で目を覚ますと、ボクのベッドの真横に汐音が立っていた。

「…………………………………………おや?早いね。…………………………………………それとも、夜這いしに来てそのまま夜が明けた?」

「…………………………………………昨日のお返しをし忘れたことを、思い出したのよ。」

「お?なになに?」

汐音がそっと顔を近づけて来るのを見て、ボクも顔を近づけてみる。そして…………………………………………ビンタが飛んできた。

「痛った!?な、なんで!?」

「うるさいうるさいうるさーいっ!!元はと言えばあんたのせいでしょっ!?」

「自分から脱いどいてそれはないだろっ!?」

思わず半身を起こすと、汐音に胸ぐらを掴まれる。え、ちょ、まさか…………………………………………。でも、待っていたものは来なくて。

「…………………………………………とりあえず、ありがと。美味しかった。」

素っ気ない返事だけど、汐音の耳の端はちょっと赤くなってて。

「…………………………………………へぇ、照れてるんだ。」

「う、うるさい、このマリバッカ!!」

そのまま汐音に突き放されて、部屋を出ていかれる。

…………………………………………うん、やっぱりいつもの汐音の方が楽しいや。

星花女子プロジェクトで一緒に活躍中の黒鹿月木綿希様は、この作品の獅子倉茉莉花を提供してくださった作家様です。

さすが生みの親というだけあって、茉莉花の心情や言動もコミカルに描かれていて嬉しい限りです!

そしてこの作品のサブキャラである鈴芽と千歳も交えてくださって楽しい一作でした♪


黒鹿月木綿希様、本当にありがとうございました!

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