表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔物使いの娘  作者: 天都ダム∈(・ω・)∋
第五章 火の山の街

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

71/168

故郷ということ Ⅰ


 人は魔女であるべきではない。魔女は悪だ。許されるべき存在ではない。

 魔女が居なければ、私は疎まれなかった。

 魔女が居なければ、私は呪われなかった。

 あの眩い星紅が助けてくれなかったら、きっと私は死んでいた。

 私は魔女が嫌いだ、全ての魔女は悪だ。だから。

 許すわけには行かないのだ、絶対に。

 なのに。

 それなのに。


 ☆


「クレセン?」

「…………あ、うん、ごめん、ラーディア、ぼうっとしてました」


 ルーヴィ様直属の【聖女機構(ジャンヌダルク)】の本隊は、十人から二十人前後で行動している。

 人数に幅があるのは、大きな街に行く度に、ルーヴィ様が道を示してくださるからだ。

 安息の地へと少女たちを導き、魔女と疑われ、生まれた場所に居られなくなった少女を救い、また遠い安息の地へ連れゆく。

 私はまだ、【聖女機構(ジャンヌダルク)】に入って一年程度しかたっていない。

 それでも、たった一つ年上の女の子が、大きな力と、これだけの役割を背負っていることに、絶望した。

 女神が居るのなら、まずあの人を救うべきなのだ。なのに、人々は、女神の救いを、ルーヴィ様が与えることを望む。

 なら、私達が支えるしか無い。あの人の孤独を、重荷を、少しでも背負わなくては。

 【聖女機構(ジャンヌダルク)】の少女たちは、皆そう思っている。

 その誓いと決意は、正しく気高い、本物だ。


「外に馬車を回しておくわ、遅れないようにね」

「……うん」


 思いは変わらない。その願いは変わらない。

 だけど。だけど。

 ……だけど!

 ああ、私は今、あの貴い人を、裏切ろうとしている!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ