朝一でするものだけが、なぜか別人のような件
※注意!
お食事中の方は、これ読まないで!
みなさまは時折このようなことが発生していないだろうか?
それは用を足したとき、いやもうダイレクトに言おう。
うんこをしたときに、別人のうんこのような異臭がすることである。
作者は大体、半年に一回はこの現象が起こる。
別人のうんこ臭。
もう「おえっ!」である。
自分のうんこの臭いは、長年の付き合いなので、気にもならない。
なぜこんな別人のようなうんこの臭いがすることがあるのか?
この物語は「朝起きて一番にひねり出したうんこの臭いがまるで別人のような件」についての一考察である。
_(´ω`_)⌒)_ ●~ ●~ ●~ ●~
「ブリュブリュブリュ……、ブッチッパ!」
「く、くさっ! なんだこの臭い! 俺のいつものうんこの臭いじゃない!」
とある男が朝起きてから一番のトイレでの排便時。
しかし、その臭いは別人のうんこ。
例えば誰かが用を足した直後に、トイレの中に入った時の残り香がするモノが、強烈に自分の肛門からひねり出されている。
「ふぅ、昨日俺なに食ったっけ? いつもと変わらないよな」
そうトイレから出て手を洗いながらつぶやく。
出勤の身支度を終えたこの男は、リビングのテレビを消そうとするその瞬間。
朝の情報番組。
時刻はちょうど8時10分。
「次のニュースです。ここ最近奇妙な現象が起こっているとのことです。お食事中の方は注意してお聞きください」
そう番組の司会者が言うと、この司会者はとんでもないことを言い出した。
「全世界的に朝起きて一番にうんこをした時に、まるで別人のうんこの臭いがする、との報告が相次いでいます。SNSなどでは頻繁にこの現象が書き込まれています」
「ま、まるでさっきの俺の現象じゃねーか!」
こうして男はテレビを消し家を出る。
会社の昼休み。
またも便意を催した男は、会社のトイレに駆け込む。
「まさか、またあの臭いがしないだろうな……」
「ブリブリ」
「あれ? いつもの俺のうんこだ?」
こうして男は席に戻り、昼食を食べながら、朝のニュースを思い出し、スマホでこの朝の件を調べてみる。
「確かに、似たような現象を言ってる人がいるな」
男はそのSNSの投稿に「いいね」をしてポストする。
「私も今朝全く同じ現象に合いました( ・∀・ )ノ = ● うんこー」
こうして、この男を含め、数日おきのランダムで朝起きて、一番にうんこをするときに、別人のような異臭がする報告は後を絶たず、様々な人々がSNSをはじめ、各種媒体で考察を発信するのであった。
その中で特に注目を集めたのは「肛門ワームホール」説である。
「実は肛門が別人のものと一時的に入れ替わり、出てくるうんこはその別人の直腸から出てきているのでは?」
この説は多くの支持を集めたが、反論も多く出た。
その反論の最大の意見は以下である。
「全世界的に起こっている現象のはず。『朝一番のうんこ』のみなので、時差を考えると『肛門の入れ替わりは不自然だ』」
これに対する更なる反駁。
「いや、同一国内の人々の間で起こっている『アヌスワームホール』なのでは?」
「ちょっと待て、国によっては国内時差もあるぞ」
このようにネット上では喧々諤々と朝一うんこ異臭騒動が議論されていた。
さて、最初に紹介した男もこの議論に参加していた。
大体一週間に一回、朝一のうんこが別人のモノ。
不思議なのは、その都度、臭いやうんこの量や色合いが異なっている。
男の参加する議論でも同種の報告がなされていた。
明らかにうんこの生産地が現象が起こるたびに変わっている。
なので、この男も「アヌスワームホール」説の支持者であった。
ある日の夜に彼はテレビの報道番組を見る。
この番組は様々な世相を専門家を呼び論じる番組だ。
この日のテーマは「朝起きて一番にひねり出したうんこの臭いがまるで別人のような件」について。
それは、この「アヌスワームホール」論争に一石を投じる内容であった。
「それでは肛門学の権威『水戸闇圀』先生です」
「水戸闇圀です。よろしくお願いします」
テレビに映った水戸闇圀が自説の説明を始める。
「現在、世界各地で報告されている『朝起きて一番にひねり出したうんこの臭いがまるで別人のような件』ですが、これを肛門が朝一のみ別人の肛門と入れ替わっている、というのは事実と思われます」
「ですが、それだと時差の関係で『朝一』というのはおかしいのではないでしょうか?」
司会者が水戸闇圀に問う。
「そうです。ところであなたは『異世界』というものをご存じですか?」
水戸闇圀が司会者に逆に問う。
「異世界……。あのトラックに轢かれて剣と魔法の世界に転移することですか?」
「それです。実は私はこの現象を『肛門だけが朝起きた時に異世界に転移し、朝一にうんこをひねり出すと元に戻る』という仮説を立てています」
「確かに異世界なら時差は関係ないですね。ですがなぜ異世界だと?」
「一つはあまりのうんこの異常な臭さです。これは異世界の人々の食生活から来ています。現在の我々の食生活と大きく異なっています。時には退治した魔獣を調理して食べることすらあります」
「なるほど、一つということは他にも理由があるのですね」
「はい、異世界には我々のようなヒューマン型ではない、亜人間が往々にして存在しています。エルフ、ドワーフ、ホビット、そしてオークなどです。これらの種族の肛門が我々に転移している可能性もあります」
「興味深いですね。確かにオークの肛門が朝一でついていたら、強烈な臭いのするうんこがドバドバ出そうです。ですがエルフのうんこはそこまで強烈な気はしないのですが……」
「自分のうんこ臭と違う、という意味では全く変わりはありません」
この男は番組を食い入るように見る。
水戸闇圀の説明は続く。
「実は『ビースト』族の肛門が転移したときは、特に激烈なうんこ臭がします。ひねり出すときに『ブッチッパ』との音が出るのが特徴的だとされています」
「俺が初めてこの現象を体験したやつじゃねーか。あれは異世界のビースト族の肛門が俺のケツに異世界転移しやがったのか……」
この男はそう言って、明日の朝一のうんこで、肛門が異世界転移しないことを願うのであった。
_(´ω`_)⌒)_ ●~ ●~ ●~ ●~
このように異世界転移は現実に存在しているのである。
ただし、それはただ唯一肛門のみに発生する現象。
もし、みなさまがうんこをした時に別人のような異臭を感じたのなら、それはあなたの肛門が異世界転移をしている可能性があることを考慮していただきたい。
おしまい ( ・∀・ )ノ = ● うんこー
本当にごめんなさい!
これを元に異世界側で私たちの肛門が転移して困惑する、イセコイものの作成に入ります!
題して「第二王子と婚約した伯爵令嬢ですが、なぜか時々用を足すと異臭がすると言われ、婚約破棄されました」です!(ウソです、やりません)
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