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偽物勇者とメイド天使  作者: ああああいい
第2章 ギルド編
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第75話 魔物の女の子

「ごめんなさい。後は任せていいですか」


 アレスがマスターに言った。


「分かったにゃ」


 アレスの言葉にマスターが頷く。


「ねえ、リズにゃん」


 マスターがリズに話しかける。


「実は私、リズにゃんと一緒なんだにゃ」

「私と一緒?」


 マスターの言葉にリズが首をかしげた。


「私も・・・魔物なんだにゃ」

「・・・!」


 マスターの言葉にリズが驚く。


 そんなリズの手をマスターが握りしめる。


「私ね。このことをみんなに明かそうと思うんだにゃ。でも、一人じゃ怖いから・・・リズにゃんに助けてもらいたいんだにゃ」


 マスターがリズに助けを求める。


「私が助ける・・・」


 リズがつぶやく。


「うん。二人でギルドのみんなに魔物だって明かそう。それで受け入れてくれたら一緒にギルドに残ろうにゃ」


 マスターが言う。


「もし、駄目だったとき・・・ギルドに居られなくなったときは・・・」


 マスターがリズの顔を見つめる。


「私のことも連れて行って欲しいんだにゃ・・・駄目かにゃ?」


 マスターがその目を涙で濡らしながらリズにお願いした。

 マスターの手は震えていた。


「・・・!」


 リズが震えるマスターを見て・・・決めた。


「分かった。一緒にギルドに行く」


 リズはマスターの願いを聞き入れた。


「ありがとうにゃ」


 マスターが涙を拭いながらお礼を言った。


「・・・」


 アレスはこうなることが分かっていた。


 優しいリズはマスターのお願いを断れない。

 そしてギルドのみんなが大好きなマスターはリズを見捨てられない。


 二人の善意を・・・優しさをアレスは利用した。


(マスターには辛い思いをさせてしまった)


 ずっと魔物であることを隠してきたマスター。

 そんなマスターがギルドのみんなに正体を明かす・・・

 それはマスターにとってとても覚悟のいる辛いことだった。


(大好きなみんなから嫌われたらどうしよう・・・)


 マスターの心は不安でいっぱいだった。


 そんなマスターを見てアレスは思う。

 その不安は杞憂だと。


 ギルドの人達がマスターを嫌うなんてありえない。

 ましてや、ギルドから追い出すなんてとんでもない。


(だって、みんな知っているから・・・)


 マスターが魔物だって。


 マスターが魔物だということはギルドの・・・いや、街中の公然の秘密だった。


 みんなマスターのことが好きだから気づいていないふりをしていた。


 アレスは二人を見る。


 一人は猫耳と尻尾が生えたどう見ても魔物の女の子。

 もう一人はどう見ても人間にしか見えない竜人の女の子。


 ギルドは・・・

 街に住む人達は・・・

 フォザリア王国の人間達は・・・


 そんな二人を・・・受け入れた。

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