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第71話 大丈夫
「これが生きたドラゴンの力?それなら私のこれまでの研究は一体・・・」
魔導士は既に戦意喪失していた。
そもそも魔導士には初めから人間を傷つけるつもりはなかった。
アレスとクレアが巻き込まれたのは事故だった。
「・・・」
紅い竜は戦う必要がないことに安堵した。
そして竜はその大きな翼を広げる。
「待って、リズさん!」
アレスが紅い竜に話しかける。
「ギルドのみんなリズさんを待ってる。僕だってそうだ。だから・・・」
アレスが手を差し出す。
「一緒に帰ろう」
「・・・」
紅い竜がアレスをじっと見つめる。
そしてゆっくりと口を開いた。
『アレスはもう私がいなくても大丈夫だ』
紅い竜が翼を広げ空へ飛び去っていく。
アレスとクレアの二人を残して・・・




