第65話 終わりの始まり
「やっぱり、ここにもない」
クレアは草が刈られ剥き出しになった地面を見ながら言った。
「ここには何が生えていたんだ?」
リズが聞いた。
「薬草が生えてました・・・ただ、薬草はすぐに生えてくるので問題はありません」
クレアが答えた。
「じゃあ、最近薬草を採取した人がいたってことか・・・」
アレスが呟く。
クレア曰く、他の場所でも似たように薬草が刈られているらしい。
「うーん、気にはなるけど・・・薬草だしなー」
アレスが困った顔をする。
薬草は人の傷を癒すもの。
悪用のしようがない。
それにすぐ生えてくるとなると周りへの影響も大してない。
(そういえば、大量の薬草が盗まれた事件があったな・・・あの犯人は捕まったのかな?)
アレスは考える。
(誰かが大量の薬草を集めている?でも、何のために・・・)
普通に考えたら大怪我した人がいたとか?
それも大量に?
(なんか、しっくりこないなー)
アレスがそんなことを考えていると・・・
ゴゴゴゴ・・・
地面が揺れ始めた。
(なんだ、地震か?)
アレスが警戒する。
そして・・・地面が崩れた。
「キャー」
クレアが叫び声をあげた。
「危ない!」
アレスがクレアを抱えて後ろに退避する。
「リズさん!」
アレスがリズの名前を呼ぶ。
「うん、大丈夫」
リズもアレスと同じように退避していた。
「一体何が・・・はっ?」
「嘘・・・」
「なんだ、アレ?」
三人が驚きの声をあげる。
崩れた地面から巨大な何かが這い上がってきた。
それは腐ったドラゴンの死体だった。




