第49話 教会のシスター
ミカは冒険者ギルドにいた。
シスター服に身を包んだ彼女は周りから奇異の目で見られていた。
「あれ、シスターじゃないか?」
「あっ、本当だ。初めて見た」
ちょっと待て、と別の冒険者が会話に交じる。
「クレアちゃんもシスターだろ?」
「えっ、でもシスター服着てなくない?」
「俺は元って聞いたぞ」
考えこむ冒険者達。
「もしかして、クレアちゃんの友だちだったり?」
シスター服を着ているミカに対してギルドの冒険者達があーだこーだ騒ぐ。
ミカはその喧騒を気にもとめずクエストの受付カウンターへと歩いていく。
「今日はどういったご用でしょうか?」
受付嬢のルイがミカに聞いた。
「わあ、凄い。とても可愛いらしい」
ミカがルイを見て言う。
「あ、ありがとうございます」
ルイが戸惑いながら礼を言う。
「これは魔王もあなたの願いを叶えたくてたまらかったに違いないわ・・・いや、その可愛いさすらも魔王に願った結果なのかしら?」
「は、はい?」
ミカの言っている意味が分からないルイ。
「ふふ、すぐに分かるわ」
ミカは洗脳の宝玉を掲げる。
「神の御霊よ。神の声を届けなさい」
しーん。
さっきまで騒がしかったギルドが急に静かになった。
「・・・?」
状況が飲み込めていないルイ。
「洗脳が効かない・・・お姉様の言う通りね。あなたは魔王の子」
ミカが笑う。
「きゃ」
近くにいた冒険者がルイを押し倒す。
「・・・」
その顔は白目を剥き口からは泡を吹いていた。
(どう見ても正気じゃな・・・うっ)
正気を失った冒険者がルイの首を絞める。
「あっ、あっ」
ルイの顔がどんどん青ざめて・・・
「ルーにゃんを離せ!」
ユウキが冒険者にタックルをする。
冒険者はユウキと一緒に倒れこんだ。
「なんで正気を保ってるの」
ミカがユウキを見て驚きの声を上げる。
「ゴホッ、ゲホッ」
解放されたルイが呼吸を整える。
「ルーにゃん!」
ユウキが起き上がる。
「僕の手を!」
「は、はい」
ユウキが差し出した手をルイが掴む。
「逃げるよ」
ユウキがルイを連れてギルドを飛び出した。
「魔王の子は二人いた?」
ミカが疑問を浮かべる。
「・・・まあいいわ。二人まとめて処分してあげる」
ミカが二人を追いかける。
どさ、どさ。
ミカが歩くと同時にギルドの冒険者達が一斉に倒れた。
正気を保っていた三人が消えギルドは静寂に包まれ・・・?
そこには倒れた冒険者達に駆け寄る二つの人影あった。




