第45話 キール王国
フォザリア王国に捕らえられたキール王国の騎士団は解放されて今は帰路に着いていた。
他国で罪を犯した者は自国の法で裁かれる。
だが、キール王国が騎士団を罪に問うことはない。
キール王国の人々にとって他国の人間がどうなろうと知ったことではない。
それどころか、勇者の称号を奪おうとした騎士団の勇気ある行動は人々から英雄と褒め称えられることだろう。
(勇者の称号を奪うには・・・)
騎士団のボスが次の作戦を考える。
彼らは悪虐非道の行いを繰り返す。
当然、これからも・・・
そのはずだった。
「ぼ、ボス!大変です!」
騎士団の一人が大声を上げる。
「どうした。いきなり・・・はっ!」
騎士団は気づいた。
これから帰ろうとしている祖国から煙が上がっていることに。
「これは一体・・・」
キール王国に帰ってきた騎士団は絶句した。
国が滅んでいた。
建物は破壊され、そこに住んでいた人々は血を流して・・・死んでいた。
ぐさっ。
「えっ」
ボスが驚きの声を上げる。
何者かに胸を後ろから刺されたのだ。
ボスがそのままうつ伏せに倒れる。
どさ、どさ。
騎士団のメンバー達がボスと同じように倒れていく。
(一体、何が・・・)
ボスは薄れいく意識の中、自分を刺した犯人を目撃した。
(シスター服・・・『教会』か?)
ボスが疑問を浮かべる。
(でも、なぜ教会のシスター達がこの国に?しかも、俺達を殺し・・・)
結局、答えはでないままボスは命を落とした。
この日、キール王国が地図から消えた。




