第43話 リズと少女
「ごめんな。私がお前の名前を借りたせいで・・・」
人攫い達を捕らえた後、リズは救出した少女に謝っていた。
「・・・?」
少女はリズがなぜ謝っているのか分からずきょとんとしている。
「ねえ、冒険者のお姉さんは私と同じ名前なの?」
「うん」
少女の問いをリズが肯定する。
「じゃあ、私もお姉さんみたいに冒険者になれるかな」
少女が期待に満ちた目でリズを見る。
「ーー!」
リズが驚く。
さっきまで怯えて泣いていた少女だとはとても思えない。
リズの存在が少女に希望を与えたのだ。
「・・・」
リズが思案する。
そして口を開いた。
「どうして冒険者になりたいんだ?」
「冒険者になって悪い人や魔物を倒したいの」
リズの質問に少女が剣を振る真似をしながら答える。
「お姉さんは?」
少女がリズに冒険者になった理由を聞く。
「それは・・・」
リズが隣にいたアレスを一瞬だけ見る。
そして続きの言葉を発する。
「守るためだ。この街の人達を」
「守るため・・・」
リズの言葉を少女が反芻する。
「お前には守りたいものがあるか?」
リズが少女に聞く。
「ママ!」
少女が元気よく答える。
「そっか。じゃあ、まずはママを守れるようにならないとな」
「うん!」
リズの言葉に少女が力強く頷く。
「リズちゃん!」
少女の母親が少女の名前を呼ぶ。
「ママー」
少女が自身の母親の元にかけていく。
「良かった。無事で」
母親が少女を抱きしめながら涙を流す。
「うん、心配かけて。ごめんね」
少女が母親に言った。
「お姉さん達ありがとう」
少女とその母親は冒険者達にお礼を言いその場を後にする。
少女が母親と手を繋いで歩いていく様をリズが微笑みながら見守っていた。




