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偽物勇者とメイド天使  作者: ああああいい
第2章 ギルド編
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第38話 帰ってきた冒険者達

 夜。

 薬草を集め終えた冒険者達がギルドに帰ってきた。


「薬草三個確かに受け取りました。ありがとうございます、ユウキさん」

「どういたしまして」


 ルイがユウキから薬草を受け取る。


「ふっ、どきな。ユウキ」


 ランドルフが草が大量に詰まった籠を受付のカウンターに置いた。


「わー、凄い。さすが、ランドルフさん」

「まあ、俺くらいの冒険者になるとこれくらいはな」


 ユウキの言葉にランドルフが得意そうに言う。


「ランドルフさん・・・これ全部ただの雑草です」

「何っ!?」


 ルイの言葉にランドルフが驚く。


 ランドルフが集めた薬草の数ーーゼロ。


「・・・ユウキ。お前の勝ちだ。勇者の称号でもなんでも持っていくといい」


 真っ白に燃え尽きたランドルフがユウキに言った。


「いや、こんな形じゃ受け取れませんって」


 お断りするユウキ。


「ルーにゃん。僕達もいいかな?」


 アレスがルイに話しかける。


「はい、アレスさんが集めた数は・・・三十個!凄いです」


 ルイが喜ぶ。


「やるにゃ。アレス。ランドルフとは大違いだにゃ」


 それを見ていたマスターがアレスの背中を叩きながら褒める。


「・・・」


 ついでに貶されたランドルフは何も言わない。

 意気消沈している。


「僕一人の力じゃないですよ。リズさんのおかげです」


 アレスがマスターの言葉を訂正する。


「うん。私もいっぱい見つけたんだ」


 リズが頷く。


「なあ、私・・・アレスの役に立てたか?」


 リズが心配そうにアレスの顔を覗く。


「もちろん。僕だけじゃない、ギルドみんなのためになったよ」

「そうか・・・良かった」


 アレスの言葉にリズが安堵する。


「これもリズさんのアレスさんへの愛が成せる力ですね」


 二人が集めてきたたくさんの薬草を見ながらユウキが言った。


「ふふ、そうだな」


 リズが笑いながら肯定する。


「あ、愛!?」


 それに対してアレスがテンパる。


「照れなくていいんですよ。みんな知ってますから」


 ユウキが二人に言う。


「・・・?なんのことか分からないけどそうらしいぞ」


 そう言ってリズがアレスに抱きつく。


「きゃー」


 その様子を見てユウキが両手で自身の目を塞ぐ。


「ちらっ」


 指の隙間からちゃっかり覗くユウキ。


「リズさん!?」


 リズに抱きつかれて驚くアレス。


「アレスはこうすると喜ぶからな」

「よ、喜んでない!」


 リズの言葉をアレスが顔を真っ赤にしながら否定する。


「ぐぼげっ」


 そんな二人の様子を見てハートの盗賊団団員Aが泡を吹いて倒れた。


「大変っす!お頭。あまりの甘酸っぱさに団員Aが耐えられなくなったっす」

「恋愛経験ゼロの団員Aには刺激が強すぎたか」


 倒れた団員Aを見つめる盗賊達。

 団員Aは泡を吹いたままぴくりとも動かない。


「こうなったら心臓マッサージっす」


 盗賊の一人が団員Aの胸に手を置こうとする。


「まっ、待ってください。私がします!」


 ルイが慌てて団員Aに駆け寄る。


「ルーにゃんに看取られるならこいつも満足だろう」

「成仏するっす」


 なまんだぶなまんだぶ、とお経を唱え始める盗賊達。


「死んでませんから!」


 団員Aの肩を揺らしながらルイが突っ込む。


「はっ、ルーにゃんの声」


 目を覚ます団員A。


「団員Aが生き返った!?」


 驚く盗賊達。


「ルーにゃん、結婚しよう」

「告白した!?」


 団員Aの告白に驚く盗賊達。


「ごめんなさい」

「速攻で振られた!?」


 怒涛の展開に叫びっぱなしの盗賊達。


 騒がしい冒険者ギルドの中・・・


「俺は役立たずだ・・・」


 ランドルフはまだ意気消沈していた。


「まだ、諦める時間じゃないです!」


 そんなランドルフにユウキが活を入れる。


「ゆ、ユウキ・・・そうだな。こんなところで諦めるんなんて俺らしくねー。行くぞ、ユウキ。薬草探しだ!」

「はい!」


 ランドルフとユウキが街の外に向かって走っていく。


「いや、今から行っても間に合わないにゃ」


 遠ざかっていく二人の姿を眺めながらマスターが言った。

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