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第33話 アレスと悪魔達
夢を見る・・・幼い頃の。
僕は一人だった。
『違うだろ。お前は一人になったんだ』
お前が弱いせいで。
「・・・」
アレスが目を開けると辺りは血塗れになっていた。
(でも、僕は驚かない)
だって、全部を知っていたから。
足を引きずり血を流しながらもアレスは血溜まりの中を歩いていく。
『ぐちゃ』
アレスが何かを見つけた。
それは死体だった。
(僕は彼を守れなかった)
アレスは死体を抱きしめる。
その死体は生きていた頃、僕を友達と呼んでくれた。
『ギャハハ』
笑ってる。
人間の皮を被った悪魔達が。
『いつまで泣いてんだ、アレス。お前も食え』
悪魔達が人間から奪った食糧を食べている。
アレスは食べなかった。
『ぐーぐー』
悪魔達が眠ってる。
アレスは眠れなかった。
「・・・」
アレスは落ちていたナイフを無言で拾う。
(このナイフで今度こそ悪魔達を・・・)
アレスはナイフを握りしめる。
そして振り下ろした。




