第22話 女の子と名前
「たのもー」
竜人の女の子が勢いよく冒険者ギルドの扉を開ける。
「ギルドのご利用は初めてでしょうか」
受付嬢のルイが女の子に質問する。
「初めてだぞ」
女の子が答える。
「本日は冒険者登録でよろしかったでしょうか」
「冒険者・・・登録?」
女の子が疑問を浮かべる。
(そうか、そういえば・・・)
女の子は過去に聞いた話を思い出す。
人間には参加者を募ってトーナメント形式で戦うお祭りがあると。
つまり、冒険者登録とは・・・
(その祭りに参加するのに必要な儀式!)
ふむふむ、と頷く女の子。
「あのー、どうかなさいましたか?」
ルイが黙ったままの女の子に問いかける。
「あー、すまない。よろしくお願いする」
「かしこまりました。それではこちらの紙にお名前をお願いします」
ルイが女の子に紙を差し出す。
(名前・・・)
女の子には名前が無かった。
(どうしよう)
女の子は考える。
ふと、先ほど見た親子が頭に浮かんだ。
女の子が名前を書く。
「リズさんですね」
ルイが名前が書かれた紙を受けとる。
「ああ」
女の子は親子のうち子供の方の名前を借りた。
人間の名前は被ることもあると聞いた。
だから問題ないはず。
(それにあんな小さな子が戦いのトーナメントに参加するはずがないしな)
こうして竜人の女の子、リズは冒険者となった。




