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第3話 親切な男達?
「ちょっと待ちな。お嬢さんたち」
人相の悪い男達が二人を取り囲む。
「この辺りは盗賊が出て危険だぜ。俺達が街まで送ってやるよ。クククッ」
「本当ですか。ありがとうございます」
礼を言う勇者。
(クククッ、その盗賊は俺達なんだがな)
心の中でほくそ笑む男達。
「待ってください。勇者様」
勇者を引き止めるメイ。
「どうしたの?」
「勇者ともあろう者が人に守ってもらおうだなんて・・・勇者様には勇者としての自覚がないのでしょうか」
「うっ、確かに」
男達に向き直る勇者。
「すいません。やっぱり自分達だけでいきます」
「クククッ、それじゃあ気をつけて」
「盗賊の件、教えてくださりありがとうございました」
親切な男達(本当は盗賊)に改めて礼を言い勇者とメイは街へと向かった。
「勇者様あそこは『俺が盗賊を討伐してやる』ぐらい言えなかったのですか」
「それは流石に・・・武器も無いので、ちょっと」
「これじゃあ、魔王討伐は夢のまた夢ですね」
「ううっ」
がっくりとうなだれる勇者であった。




