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第19話 スライムキング
アレスと捜索隊から忘れられていたスライムキングはついさっきまで森に君臨し暴れていた。
そう、さっきまでは・・・
「ぐぴゃー」
スライムキングの断末魔が森中に響き渡る。
「王を名乗っておいてこの程度なのか?」
そこにいたのは小柄な女の子。
彼女は心底がっかりといった表情でスライムキングを見つめていた。
「ぐ、ぐぴゃー」
スライムキングが最後の力を振り絞って女の子に襲いかかる。
女の子は鱗で覆われた右手を振るう。
するどい爪を生やしたその手はスライムキングの巨大な体を意図も容易く切り裂く。
「・・・」
切り裂かれたスライムキングは物言わぬ死体となった。
彼女は竜人。
地上最強の生物ドラゴンーーその上位種である。
「ふふ、ははは。この世に王はただ一人。私だけだ!」
主を失った森に女の子の笑い声が響き渡った。