第18話 英雄達の帰還
「みんな本当にありがとう」
呪術者を倒した帰り道。
人間に戻ったアレスが捜索隊の三人に改めて礼を言う。
「いえ、冒険者として当然のことをしたまでです」
自身の胸をドンと叩いて冒険者らしい振る舞いをするユウキ。
「おっ、言うようになったじゃないか。ユウキ」
ランドルフがユウキの肩に腕を回しながら絡んでくる。
「ふふ」
その様子を見てメイが微笑む。
村を救った英雄達が街の門をくぐり帰還する。
そして冒険者ギルドに帰ってきた。
「あー!スライムキングの討伐忘れてた」
ギルドの受付でクエストの完了報告をしようとしたアレスが叫ぶ。
「えー、あの呪術者がスライムキングだったんじゃないの!?」
驚くユウキ。
「まあ、あの魔物はスライムって見た目じゃなかったしな」
呪術者だった魔物の姿を思い浮かべるランドルフ。
「人間をスライムに変えてはいましたが操ったりはしませんでしたしね。そういう意味でもスライムの王って感じでは無かったですね」
当時の状況を思い出すメイ。
「討伐しに行かないと」
「駄目です。アレスさんは休んでください」
クエストに出発しようとするアレスを受付嬢のルイが止める。
「じゃあ、僕達が・・・」
「みなさんも一緒です」
捜索隊のメンバーにも釘を刺すルイ。
「スライムキングの討伐依頼は他の冒険者の方に回すのでみなさんは休んでください」
「ルーにゃんの言う通りだにゃ。ほーら、みんなこっちだにゃ」
猫耳メイドのマスターに連れられて酒場に案内される四人。
「さあ、今日はランドルフさんの奢りだにゃ。いっぱい食うにゃ」
「いや、俺の奢りかよ」
マスターの言葉に突っ込むランドルフ。
「あははは」
それを見て笑う他のメンバー。
こうして四人はしばしの休息をとるのだった。