第156話 青く澄み渡る空
『ポツリ、ポツリ』
雨が降り始めた。
『ザー、ザー』
それはすぐにどしゃ降りになった。
『・・・』
泣いていた。
自分のせいで・・・
愛し合う二人が戦うことになって・・・
そのことで、胸を痛めて・・・
空が・・・泣いていた。
「・・・」
「・・・」
ユウキとランドルフが無言で向かい合っていた。
「・・・」
ユウキが木刀を握りしめる。
そして、全力で駆け出した。
「・・・!」
ランドルフがそれを迎え撃つ。
そのために足に力を込めようとして・・・
ズルッ。
「なっ!」
ぬかるんだ地面に足をとられ、ランドルフのバランスが崩れた。
「とりゃあああー!」
ユウキがそんなランドルフに一撃を加えた。
その一撃はランドルフにダメージを与えない。
しかし・・・バランスを崩した彼を押し倒すには十分だった。
「ぐはっ」
べちゃりと、ぬかるんだ地面にランドルフが背中から倒れた。
そして・・・
「まだです!」
ユウキが木刀を投げ捨て・・・ランドルフの上に倒れこんだ。
彼が立ち上がれないように・・・
「なっ・・・」
ランドルフが顔を真っ赤にして驚く。
そして、気付いた。
(あれ?雨が・・・)
雨がやんでいた。
雲の切れ目から太陽が・・・
青い空が覗き込んだ。
空が・・・ユウキの勝利を祝福した。
「・・・」
それを見て、ランドルフが満足そうに微笑んだ。
「俺の・・・負けだ」
ランドルフが敗北を認めた。
・・・この決闘に見物人はいない。
どこまでも青く澄み渡る空だけが二人の決闘を・・・
そして・・・その決着を見守っていた。




