第150話 勇者を継ぐもの
「ああ、そうだ。私の負けだ」
アルベルトが言う。
『ギー、ギー』
千年前の勇者が残した四角い封印の箱が激しい揺れとともに動き出す。
「・・・!」
驚く冒険者達。
「君達は勝ったんだ・・・神の力を持った私に!」
それはすなわち・・・
「千年前の勇者であった・・・先代国王が残した神を超えるという命題を君たちは成し遂げたんだ!」
四角い箱が激しく回転し始める。
今・・・勇者が残した魔王の封印が解ける。
『魔王の封印を解け。さすればそなたはーー真の勇者となるだろう』
・・・それは千年前の勇者の本に記された一節だった。
神の世界への扉が開かれる。
「神の世界に行けるのは勇者の称号を持つランドルフ・・・君だけだ」
アルベルトが言う。
「君がその手で神を殺し、世界を救うんだ。そして・・・真の勇者になるんだ!」
アルベルトがランドルフに自身の願いを託した。
「・・・その願いは聞けない」
ランドルフがその願いを突っぱねた。
「そうか・・・勇者である君が選んだ選択なら仕方ない」
アルベルトが肩をすくめる。
「甘んじて受け入れよう」
アルベルトが素直に引き下がった。
「いや、そういう意味じゃない・・・悪いな。俺はもう勇者じゃない」
そう言って、ランドルフは後ろからきた人物に場所を譲った。
「僕が勇者です」
ユウキがはっきりそう言った。




