第145話 神の奇跡
「はあ、はあ」
シスター達が息を切らす。
辺りに転がるは倒したゾンビ・・・魔物の死体だった。
ゾンビとシスター達の戦いは、シスター達の勝利に終わった。
『カツン、カツン』
足音がした。
ゆっくりと、シスター達に近づいてくる人物がいた。
・・・ゾンビはシスター達に敵意があったわけではない。
魔王の命令で、ある死体を守っていただけだった。
だから、その死体と反対方向・・・吸血鬼の方に向かったアナスタシアは襲われなかった。
・・・目の前の人物はもう死体ではなかった。
シスター達が起こした神の奇跡が・・・彼女を生き返らせた。
呪いによって永遠の苦しみを味わっていたその魂がついに救済された。
「みなさん・・・お久しぶりですね」
神父・・・マリベルがシスター達に言った。
「神父様ー!」
シスター達が一斉にマリベルに抱きついた。
マリベルがもみくちゃにされる。
「あはは、みなさん。そんなにあわてなくても大丈夫ですよ・・・もういなくなりませんから」
マリベルがそんなシスター達を見て笑う。
「・・・」
クレアはそんなマリベルを遠くから見守っていた。
・・・マリベルを殺した罪悪感。
それがクレアの足を止めさせていた。
「クレアちゃん。行きましょう」
そんなクレアの手をマリアが引く。
「マ、マリア・・・」
クレアがあわててマリアについていく。
・・・マリアは転ばずにまっすぐ駆けていく。
神父の声を頼りに。
「・・・ふふ」
そんな二人の様子を見てマリベルが優しく微笑んだ。




