第140話 勇者と魔王
夜・・・ランドルフは星を眺めていた。
ランドルフは星が好きだった。
あの星ひとつひとつにここと同じようで別な世界が広がっている。
そこには数えきれいほどの冒険が待っている。
そう思うとわくわくが止まらない。
・・・ランドルフは子供の頃から好奇心が旺盛だった。
そんな彼が冒険者になるのは・・・いわば必然だった。
「ユウキの奴・・・どこ行っちまったんだ」
ランドルフがひとり悲しそうにつぶやいた。
「ユウキ?・・・もしかして、あんたの彼女?」
そんなランドルフにジャンヌが声をかけてきた。
「ちげーよ」
ランドルが幼馴染の言葉を否定した。
「冒険しか興味がなかったランドルフが恋か・・・」
ジャンヌは人の話を聞かない。
「今度、会わせなさいよ」
ジャンヌが言った。
「そうだな。アルベルトを連れ戻して世界を救った後でな」
ランドルフが約束した。
「そうね・・・必ず連れ戻してね。待ってるから」
ジャンヌがお願いをした。
「ああ、絶対に連れ戻すさ。そしたら、また四人・・・」
ランドルフが言葉を止めた。
・・・マリベルの顔が思い浮かんだ。
彼女はもう死んでいる。
「三人で話そう・・・昔みたいに」
ランドルフが言った。
「いえ、四人よ・・・あの子はきっと私達を見守ってくれている」
ジャンヌが夜空を見上げる。
(あの星のどこかにきっと彼女はいる)
ジャンヌはそう思った。
「・・・そうだな」
ランドルフがその言葉にうなずいた。
もうそろそろ夜が明ける・・・
・・・。
・・・。
勇者が残した封印の箱の前。
そこに彼はいた・・・
「待っているよ・・・勇者ランドルフ」
魔王アルベルトが静かに言った。




