第138話 魔王誕生
「アルベルトは神様に会って自身の願いを叶えるつもりだわ」
ジャンヌがアルベルトの伝言を伝え終わったあと・・・彼の目的を話し始めた。
「彼の願いは『悪人を善人に変える』こと」
それは子供の頃・・・アルベルト本人から教えてもらったことだ。
「そうすることで、自身の夢・・・世界平和を実現しようとしているわ」
ジャンヌが話し終えた。
「・・・」
冒険者達はそれを黙って聞いていた。
「あのさ・・・それって別にいいんじゃないか?」
冒険者の一人が疑問を口にした。
「・・・いえ、駄目です」
パテル派の教祖マリアが言う。
「神の願い叶える力は世界を変える力・・・範囲が広がれば広がるほど影響も大きくなります」
マリアが説明する。
「国王のその願いは世界中に影響を与えます」
マリアは語る。
「今だけの話ではありません・・・彼の願いにより未来永劫、悪人は生まれなくなります」
国王の願いの恐ろしさを。
「それは本来ならありえないこと・・・世界の摂理を書き換える行為に他なりません」
その願いで世界は変わる。
「この世界は悪人が存在しない世界に生まれ変わる・・・新しい世界が誕生するのです」
新たな世界の誕生・・・それは・・・
「それは・・・今ある世界の終わりを意味します」
・・・それはおとぎ話として千年前からずっと伝わっていた。
「これは千年前に世界を終わらせかけ・・・勇者に封印された・・・」
けれど、それはただのおとぎ話ではない・・・
確かに、現実にあったことだ・・・
「魔王の再来に他なりません」
マリアは冒険者達に宣言する。
「教会は国王アルベルトを魔王の子・・・いえ・・・」
マリアが言葉を続ける。
「魔王と認定しました」
・・・世界の終わりはもうすぐそこまできている。




