第133話 届かない声
スライムは世界を冒険しました。
そして、フォザリア王国にたどり着きました。
この国の王立図書館の本を読むことがスライムの夢でした。
(夢が叶って良かったね)
神様がそう思った矢先、悲劇が起きました。
『・・・!』
・・・スライムが魔王の声を聞きました。
「そんな・・・!」
神様が驚きます。
・・・魔王は存在しません。
その幻聴はスライムの『魔物の勇者になりたい』という願いに反応して起こりました。
スライムの強い思いが・・・勇者の嘘を貫通し、無差別に願い叶える力まで届いてしまったのです。
『・・・!・・・!』
その声を聞いたスライムが地下に潜り、四角い封印の箱を見つけてしまいました。
それは千年前の勇者が作り出した空っぽの箱でした。
それなのに・・・
無差別に願いを叶える力は・・・
その中にいる魔王の姿をスライムに見せました。
『・・・!』
スライムは魔王を救う決心をしました。
「あっ、あっ」
それを見た神様の顔が青ざめます。
「違うの。それはただの幻覚なの・・・だから、その箱に入ろうとしないで・・・」
神様の必死な声はスライムに・・・届きませんでした。




