第14話 アレス捜索隊
「ルーにゃん、ルーにゃん」
受付嬢のルイはユウキに名前を呼ばれハッと我に帰る。
「申し訳ございません。ユウキさん。本日はどういったご用で?」
「クエストを受けにきたんだけど、ルーにゃんどうかしたの?」
心配そうにルイの顔を覗くユウキ。
「実はアレスさんがクエストに行ったきり帰って来てなくて・・・」
「えっ、アレスさんが!?」
驚くユウキ。
「あれ?アレスさんがクエストに出たのはユウキさん達がギルドに来る前なので面識ないですよね?」
「ギルドに来る前、死にかけていたところをアレスさんに助けてもらったんです」
ユウキと一緒にいたメイが説明する。
「うん、アレスさんは僕たちの命の恩人だよ」
メイの言葉にユウキが相槌を打つ。
「もし、アレスさんに何かあったとしたら今度は僕達が助ける番だよ」
意気込みを語るユウキ。
「そうですね。アレスさんがクエストに出てもう十日も経つのでそろそろ捜索隊を出そうかと考えていたんです」
「じゃあ、僕達が探してきます」
捜索隊に立候補するユウキとメイ。
「お気持ちは嬉しいのですが戦闘経験のない二人ではちょっと」
やんわりと断るルイ。
「だったら俺もついていこう。それでどうだ」
近くにいたランドルフが会話に加わり、ユウキ達に助け舟を出す。
「そうですね。ランドルフさんが一緒なら」
了承するルイ。
「ランドルフさん、ありがとう」
お礼を言いながらランドルフに抱きつくユウキ。
「俺もアレスが心配だっただけだ。礼を言われることじゃない」
ユウキを引き剥がしながら答えるランドルフ。
「それでもお礼を言わせてください。ランドルフさんが来なければギルドを無視して二人で出発してましたから」
「うん。当然だね」
とんでもないこというメイとそれに同意するユウキ。
「まじかお前ら」
二人に呆れるランドルフ。
「危険だから絶対にやめてください!」
注意するルイ。
「「はーい」」
ルイの注意に元気よく返事する二人。
こうしてユウキ、メイ、ランドルフによるアレス捜索隊が結成されたのだった。