第125話 吸血鬼とシスター
吸血鬼が少女の部屋から出た。
今日は洋服を買いに行く日だ。
・・・少女はついてこない。
『一緒に行こう』
その言葉を少女に言い出せなかった。
(店員にはどう言い訳しようか・・・んっ?)
吸血鬼が城の異変に気付いた。
(人間の匂いだ・・・それも複数)
人間達の匂いは固まって動いていた。
どうやら、集団で城を探索しているようだ。
「・・・」
吸血鬼は匂いをたどり人間達の元へと向かった。
・・・。
そこにいたのはシスター服を着た女性達だった。
「あなたは吸血鬼ですか?」
シスターが質問した。
「違う」
吸血鬼が答えた。
「吸血鬼は動物の血を少し吸うだけの・・・あるいは人間を守り血を分けてもらう善良な生き物だ」
吸血鬼が説明する。
「お前たちの目の前にいるのは、数多の人間を殺し、その血をすすった・・・ただの悪だ」
吸血鬼が自身について語った。
「それは良かった」
シスターが言う。
「私たちはそんな悪を倒しにきた・・・正義の味方です」
シスターが自己紹介をした。
「それは面白い」
吸血鬼が笑う。
「みせてもらおうか・・・正義の味方とやらの力を!」
この戦いは吸血鬼にとってなんの意味もない・・・
空虚な戦いだった。




