表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
偽物勇者とメイド天使  作者: ああああいい
第4章 ヒーロー編
128/169

第118話 少女とお洋服

「・・・」


 吸血鬼は新しい食事を持って少女の部屋の入口に来ていた。


(また、食べていない)


 入口には手つかずのご飯が置かれていた。


(もう、何日もこの調子だ・・・)


 吸血鬼は少女が心配だった。


(無理して食べる必要はない)


 吸血鬼は思案する。


(しかし、人間は何日食事をとらずに生きられる?)


 吸血鬼はここ数日、少女の姿を見ていない。

 意図的に視界に入れないようにしていた。


(見てしまったら、私は少女を・・・)


 殺してしまうんじゃないか?


 ・・・それはありえないことだった。

 しかし、吸血鬼は罪悪感からどうしようもないほどの強迫観念に囚われてしまっていた。


『ぐー』


 お腹が鳴る音がした。

 吸血鬼のものではない。

 少女のものだ。


「・・・!」


 恐怖よりも心配が勝った。

 吸血鬼は顔を上げた。

 そして、少女を見た。


 ・・・少女は痩せこけていた。

 今にも死にそうなほどに。


「・・・!!」


 吸血鬼は泣きそうになりながら驚いていた。


 少女が死にそうなことに?

 それもある。

 けれど、それ以上に・・・


「・・・」


 少女は無言で吸血鬼を見る。

 その手には・・・吸血鬼があげた洋服が握りしめられていた。


「・・・っ、・・・!」


 声が出なかった。

 吸血鬼はそんな少女を見て涙が止まらなかった。


(早く、ご飯を食べさせてあげなれけば!)


 それなのに、口からでたのは別の言葉だった。


「洋服を着なさい」


 なぜなら、それが少女が今一番したいことだと思ったから・・・

 吸血鬼の考えは・・・合っていた。


 少女は無表情のまま着ていた服を脱ぎ始める。

 少女は表情の変え方を知らない。

 それでも心は少しずつ戻っていっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ