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第115話 吸血鬼と洋服屋
吸血鬼は町の洋服屋に来ていた。
「お兄さん、今日はどんな服をお求めで?」
店員が吸血鬼に聞いた。
「可愛い服で頼む」
吸血鬼が言った。
「分かりました。こちらの試着室にどうぞ」
「うむ」
吸血鬼が試着室に入った。
そして、可愛らしいスカートをはいた吸血鬼が・・・
「ちがーう。着るのは私ではない!」
吸血鬼がつっこんだ。
「あっ、やっぱり、そうでした?」
店員が舌を出して笑う。
「娘さんへのプレゼントとかですか?」
「うむ。そういうところだ」
実際は娘ではないがそういうことにしておいた。
吸血鬼が店内の洋服を見て回る。
「よし、この服をもらおう」
「毎度ありがとうございますー」
洋服を買った吸血鬼が店を出る。
(ふふ、我ながらいい服が買えたぞ)
満足そうな吸血鬼。
そして、この服を着た少女の姿を想像する。
その姿はとても可愛いらしかった。
(だが、現実はそれ以上だろう。実に楽しみだ)
心を弾ませながら吸血鬼は帰路についた。




