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第112話 救いようのない悪
「キャー」
「うわあああ」
屋敷の住人達が悲鳴をあげる。
「あははは。いいぞ、その調子だ」
吸血鬼が笑う。
「た、助けて」
住人が命乞いをする。
「そうだなー、靴を舐めたら助けてやろう」
吸血鬼が言う。
「は、はい」
住人が吸血鬼の靴を舐める。
「よっと」
吸血鬼がそのまま自身の足を振り抜いた。
住人の頭が吹っ飛び辺りが血で真っ赤に染まる。
「きゃあああー」
「うわああああ」
それを見た住人達が悲鳴をあげ逃げ惑う。
「あはははっ」
吸血鬼が腹を抱えて笑う。
悲鳴をあげ・・・
泣き叫び・・・
我先にと逃げていく・・・
その姿が・・・
「おかしくてたまたない!」
吸血鬼が笑う。
その顔は実に無邪気で・・・
おもちゃを与えられた子供のようだった。
「さあ、人間達よ。私をもっと楽しませろ!」
その吸血鬼は救いようのない・・・純粋無垢な悪だった。




