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偽物勇者とメイド天使  作者: ああああいい
第3章 教会編
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第106話 クレアと残酷な結末

「・・・!」


 慈善活動から戻ったシスター達は教会の惨状に絶句した。


 神父に倒された魔物。

 泣きじゃくるクレア。

 そして・・・


『・・・』


 ・・・呪いによってゾンビとなった神父がいた。


『ニヤ、ニヤ』


 死後の呪いを放った魔物が笑いながら塵となり死んだ。

 この呪いは未来永劫消えることはない。


「そんな・・・」


 シスター達が涙を流す。

 彼女達は動けない。


 目の前のゾンビ・・・悪を裁くことができない。

 彼女達に神父を傷つけるのは・・・無理だった。


『クレア・・・』


 ゾンビとなった神父がクレアに話しかける。


『私を殺しなさい』


 神父がクレアにお願いした。


「・・・!」


 クレアが落ちていたナイフを拾い神父に向かって駆け出す。


 ・・・クレアは神父が大好きだった。

 彼女の願いならなんでも叶えてあげたいと思うほどに。


 クレアの体は勝手に動く。

 目の前の彼女の願いを叶えるために。

 それはある種の呪いのように・・・


「ありがとう、クレア。そしてごめんなさい。あなたに辛い役目を任せてしまって」


 神父がクレアに礼を言う。

 クレアの握りしめたナイフは神父の心臓を貫いていた。


「わ、私のせいで・・・」


 クレアが涙を流しながら自身の過ちを後悔・・・


「あなたのせいではありません」


 神父がクレアの言葉を否定する。


「あなたは誰よりも優しかった・・・その優しさが間違いだなんてことは絶対にありません」


 神父がつけていたペンダントを外す。


「運が悪かっただけ・・・ただの事故です」


 クレアの手にペンダントを握りしめさせる。

 ・・・半円の月が描かれたペンダント。

 月は夜空を明るく照らす。

 それは迷える人々を導く道標となる。


「クレア・・・あなたの優しさは多くの人を救うことになる。私はそう信じてます。だから・・・」


 神父が最後の力をふりしぼって言う。


「心のあるがままに生きて。私はそんなクレアが大好きだから・・・」


 神父はクレアの腕の中で息絶えた。

 大好きなクレアのことを思いながら。

 ・・・呪いによってゾンビとなった神父の魂は成仏することはない。

 その魂は未来永劫苦しみ続ける。

 それは・・・残酷な結末だった。


「みんなどうしたの?」


 目が見えず状況が分からないマリアがシスター達に聞いた。


「・・・!」


 マリアを見て・・・クレアは逃げ出した。


「はあ、はあ」


 クレアは一人、森を走る。


(見られたくない。知られたくない)


 クレアはマリアから逃げた。

 ・・・怖かった。

 マリアに全てを知られるのが。


(嫌だ、嫌だ!)


 クレアが泣きながら走る。

 マリアに全てを知られて・・・嫌われるのが嫌だった。


(逃げなきゃ・・・!)


 クレアは走り続ける。

 当てもなく・・・


「きゃっ」


 クレアが誰かにぶつかる。


「・・・嬢ちゃん、大丈夫か?」


 その誰かは心配そうにクレアに聞いた。

 彼は・・・ランドルフという名前の冒険者だった。

 そんなランドルフにクレアが懇願する。


「お願い・・・私をどこか遠くへ連れて行って」


 クレアは・・・シスターをやめた。

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