第98話 クレアと新しい仲間
町の隅っこ。
人気のないその場所に大きな教会が建っていた。
ここには教会のトップである神父と、パテル派のシスター達が暮らしている。
「神父様ー。遊びに来たよー」
クレアが教会にある祈りの間の扉を開けた。
彼女もまたパテル派のシスターだった。
「あれ、あなた誰?」
祈りの間には神父と、見知らぬシスターがいた。
クレアの声に気づいたシスターが振り向く。
そのシスターは目が見えていなかった。
「はじめまして。私はマリア。ケテル派のシスターです」
盲目のシスター・・・マリアが挨拶をする。
「は、はい。はじめまして。クレアです・・・って、ケテル派!?」
クレアが驚きの声をあげる。
「ふふ、彼女は今日からここで暮らすことになりました。クレアも仲良くしてあげてね」
神父がクレアに言った。
「え、ええー!?」
クレアがさらに驚く。
「な、なんで。ケテル派が?」
クレアが神父に聞く。
「彼女は目が見えないのでケテル派の遠征についていくことができません」
神父が説明する。
「そこで私達と一緒に暮らすことになりました」
神父が説明し終えた。
「宗派の違いはいいんですか!?」
クレアが叫ぶ。
「問題ありません・・・だって、私偉いから!」
どや顔で言う神父。
「職権濫用!」
クレアがつっこんだ。
「ふふ、仲がよろしいんですね」
二人の騒がしい声を聞いてマリアが笑う。
「なに笑っているんですか。あなたの話ですよ!」
クレアが無関係面しているマリアに言う。
「そ、そうでした。ごめんなさい」
マリアが謝る。
「そうですよ、マリアさん。あなたはもうこの教会の一員・・・家族です」
神父がクレアの言葉に同意しながら言う。
「いや、私はそういう意味で言ったんじゃ・・・ただ、当事者意識を持てと・・・」
クレアが神父の誤解を指摘する。
「さあ、マリア。私の胸に飛び込んできなさい。私達は家族なのだから!」
クレアの言葉を無視して神父が話を進める。
「はい。神父様」
マリアが駆け出す。
しかし、目の見えない彼女は見当違いの方向へ。
そのまま壁にぶつかりそうに・・・
「危ない!・・・ぐへっ」
マリアを庇って間に割り込んだクレアが押しつぶされる。
「ご、ごめんなさい。大丈夫ですか?」
慌てるマリア。
「大丈夫ですよ・・・ただ、危ないので走るのはやめてください」
クレアが注意した。
「そして神父様ー!」
「ひ、ひいー」
怒りをあらわにするクレアに神父がビビる。
「マリアさんは目が見えないんですよ!飛び込むなら神父様の方にしてください!」
クレアが神父様を叱りつける。
「ご、ごめんなさーい」
そう言って、神父がマリアの胸に飛び込んだ。
「マリアさーん。クレアが怖いよー」
マリアに泣きつく神父。
「よーしよし。怖くないですよー」
神父をあやすマリア。
「謝る相手がちがーう。私じゃなくて、マリアさんに謝りなさい」
クレアの説教が続く。
「は、はいー。ごめんなさいー」
神父のごめんなさいが教会内に響き渡る。
新しい仲間が増え教会はまた少し賑やかになった。




