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偽物勇者とメイド天使  作者: ああああいい
第3章 教会編
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第96話 嵐の前の静けさ

「ただいま、戻りました」


 ミカがギルドでの一日体験会を終えて教会に帰ってきた。


「お帰りなさい、ミカさん」


 マリアがミカを出迎えた。


「仲直りはできましたか?」


 マリアがミカに言う。


「気づいていたんですか。私がギルドに行ったって・・・」


 ミカが驚く。


「ミカさんが宝具を盗んで出ていったと他のシスターから報告を受けました」

「うっ」


 盗んだことがバレて焦るミカ。


「盗んだ宝具の内容を聞いてルイさんに会いに行ったと判断し黙認することとしました」


 マリアを説明する。


「宝具を盗んでごめんなさい。そして庇ってくださりありがとうございます」


 ミカが謝罪と礼を言う。


「いいんですよ。あなたが宝具を悪用するわけがないと分かっていましたから」


 マリアが微笑む。


「それでどうでしたか。許してくれましたか?」


 マリアが聞く。


「はい、許してくれました。ギルドの人達はみんな良い人で・・・友達もできました」


 ミカが答える。


「ふふ、良かったですね」


 マリアが嬉しそうに言う。


「私もギルドに遊びに行こうかしら」


 マリアがとんでもないことを言った。


「さ、さすがにケテル派のシスターにバレてしまうのでは・・・」


 パテル派とケテル派が結ぶ不干渉の契約。

 いちシスターのミカは変装で誤魔化せても、教祖でしかも目が見えないマリアとなればそうはいかない。

 ケテル派にバレてしまう。


「大丈夫ですよ。街の人や魔物に手を出さない限り見逃してくれます。ケテル派はそういう差別のない組織ですから」


 元ケテル派のシスターだったマリアが言う。


「それはそれで問題な気がしますが・・・」


 ミカが契約の不履行に苦言をさす。


「うーん。そこは認識の違いですよね」


 マリアが言う。


「ケテル派は町にくるなとは言ってません。あくまでそこに住む魔物に手を出すなという意味の不干渉の契約だったのですが上手く伝わってないんですよね」


 元ケテル派で現在はパテル派のマリアが頭を悩ませる。

 パテル派の魔物と魔王の子の討伐。

 これはケテル派の掲げる魔物の共存とは相容れない。


 しかし、ケテル派のシスター達は分かっていた。

 パテル派のそれは魔物に怯える人達を安心させるためには必要なことだと。

 だから、ケテル派はパテル派を容認していた。

 それが相反する思想だとしても・・・


『善良な人々を守りたい』


 その揺るぎない同じ正義がある限り、戦いに長けたケテル派がパテル派に牙をむくことはない。

 宗派は違っていても教会のシスター達は確かな正義で繋がった仲間なのだから。


「分かりました。機会があればギルドに行きましょう。ご一緒するわ」


 ミカがマリアに言う。


「ふふ、ありがとうございます」


 マリアが礼を言う。


 二人が交わした約束はすぐに果たされることになる。

 ・・・彼女達の望まぬ形で。


 ・・・。


 『魔王』の誕生は近い。

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