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偽物勇者とメイド天使  作者: ああああいい
第3章 教会編
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第95話 告白

「・・・」


 ギルドに沈黙が流れる。


「ルーにゃんはミカを許したんだな?」


 ランドルフが沈黙を破る。


「はい、ミカさんは私の友達です。遺恨はありません」


 ルイが断言した。


「はあー」


 ランドルフがため息をつく。


「狙われた本人がそう言うなら俺から言えることはねー。好きにしろ」


 そう言ってランドルフがその場を去る。


「いや、去る必要ねーだろ」


 アンがランドルフを蹴飛ばす。


「なにすんだ!」


 ランドルフが怒る。


「ルイは許した。先生はどうなんだ?」


 冒険者達がランドルフを見る。


「僕達のリーダーはあんただけだ。あんたの判断に従う」


 アレスがランドルフに言う。


「ずいぶんと素直になりやがって、昔は絶対に俺の言うこと聞かなかっただろ」

「・・・感謝してるんだ。あの日、リズさんの決闘相手に僕を選んだあんたを」


 アレスがランドルフに感謝を伝える。


「なに言ってやがる」


 ランドルフがアレスから目をそらす。


「・・・俺はお前に期待していた。でもお前には危ういところがあった」


 ランドルフが当時の心情を明かす。


「だから、お前を試した・・・結果は最悪だった。だから、俺はお前を・・・」


 ランドルフが気まずそうにルイを見る。


「見放した」

「・・・」


 ルイは黙ってランドルフの言葉を聞く。


「でも、リズと過ごすお前を見て・・・俺の判断は間違っていたって分かった」


 ランドルフが意を決してルイの目を見た。


「あの時お前を見放して悪かっ・・・」

「謝るな。あんたは間違ってない」


 ランドルフの謝罪をアレスが遮る。


「あんたがそれを間違いだと認めたら僕とリズさんの出会いが無くなるだろ」


 ランドルフが見放したからリズが代わりにアレスに手を伸ばした。


「感謝してるって言っただろ・・・ありがとう、ランドルフさん。僕とリズさんを会わせてくれて」


 アレスの手をリズが握る。

 そして微笑みかけた。

 それを見てアレスが嬉しそうにする。


「私も先生が弟子にしてくれたこと感謝してるわ」


 アンが言う。


「俺達だってそうだ。ランドルフがいたからここにいる・・・いられてる」


 冒険者達がランドルフに感謝を伝える。


「最後はやっぱり・・・」


 冒険者達が一斉にある人物に目をやる。


「新参者で恐縮ですがとりを務めさせてもらいます」


 ユウキがランドルフの前に立つ。

 ユウキはメイド服を着ていた。


(ランドルフさんには僕が男にしか見えていない。それでも今は女の子として見られたいから・・・)


 ユウキがランドルフを見る。


「あの日、ランドルフさんに負けて勇者の称号を失いました」


 ユウキが当時のことを話す。


「その後は冒険者の一員としてみなさんと・・・ランドルフさんと一緒に過ごしました」


 ユウキが大切な思い出を語る。


「どれもが初めてのことで毎日が大冒険でした」


 輝かしい冒険の日々を。


「これも全部ランドルフさんのおかげです。だから・・・」


 ユウキが目いっぱいの笑顔を見せる。


「大好きです」


 ユウキがランドルフに告白した。


「・・・お前が男でよかったよ。勘違いせずに済む」


 ランドルフがつぶやく。


「・・・女なら?」


 ユウキがランドルフの顔を覗き込む。


「ノーコメントで」


 ランドルフは答えなかった。


「・・・」


 ギルドに再び沈黙が流れる。


「みんなあなたのことが好きなのね」


 沈黙を破ったのはミカだった。


「お前を許す許さないの話だったのを忘れるなよ」


 ランドルフが釘を刺す。


「ごめんなさい。でしゃばったわ」


 ミカが謝る。


(てか、なんで俺の話になったんだ?)


 頭を抱えるランドルフ。


「・・・」


 ランドルフがミカに目をやる。

 ミカの隣にはマスターとルイが座っていた。


 マスターは泣きながらミカに抱きつき、ルイはミカの手を握っている。


「・・・分かったよ。許すよ」


 ランドルフがミカを許した。


「やったー!」


 ギルド内で歓声が上がる。


「良かったにゃー。ミカにゃん」

「クロにゃんー」


 また涙と鼻水でぐちゃぐちゃになりながら抱き合う二人。


「ふふ、良かったですね」


 その様子をルイが微笑みながら見つめる。


「お前ら、喜びすぎだろ」


 ギルドの内の歓声に対してランドルフが言う。


(元は敵だったのになんで一日で絆されるんだよ・・・人が良すぎんだろ、どいつもこいつも)


 ランドルフが心の中で悪態をつく。


「ランドルフさん・・・」


 ユウキがランドルフの腕に抱きつく。

 これは珍しい光景ではない。

 いつものことである。


「もう少しこのままでいいですか?」

「ああ、構わねーよ」


 何も変わらないいつもの光景。


(そのはずなのに・・・)


 ランドルフは戸惑っていた。

 なぜだか、この日は普段と違うような気がした。


 ・・・。


 ユウキの胸の鼓動が早まる。

 何かが胸の隙間を埋めろと言っている・・・そう感じた。


『ユウキ・・・僕が消える前に伝えたいこ・・・と・・・が・・・』


 声を持たない何かの思いは正しく伝わらない。

 何か・・・XXXXの終わりが近い。

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