第7話:戦闘開始
初の戦闘回(一応)です
「ひ、人がっ…!」
優もかなり動揺したが生存の可能性を信じる事にした
そして優が馬車がハッキリ見えるぐらいまで近づきスピードを落とそうとしたが
「!?あ、あれ?このままじゃヤバイっ!」
何故かスピードが落ちない車椅子に乗った優の眼前には遠目から見えていたあの二足歩行の犬のような生物が近づいていた
そして優が目を閉じてた瞬間何か硬いものが砕ける音がした後に凄まじい衝激を感じ優は危うく車椅子から投げ飛ばされるところだった
「っ!危なっ!そうか、木に当たって車椅子が止まったのか……でも、その前にも何かにぶつかったような気がするけど……」
優は直前の衝撃の正体を確認しようと後ろを振り返るとあの生物が倒れていた
「あっ、そういう……」
数瞬してから楓と陣が優に駆け寄ってきた
「優!何か轢いてるけど大丈夫なの?」
優は馬車を襲っていたとはいえ生物を殺めてしまったのだ
「助けて!」
馬車の方から小さい女の子の声が聞こえ犬のような生物が馬車の方へ近づいていた
「っ!とりあえず馬車に近づく奴だけ倒そう。馬車には生存者が居そうだからその人に話を聞いて立場を決めよう。」
「よしっ!分かった『戦の舞』+『火の舞』」
「え、え〜と…あっ!このページか!いけっ!『ウォーターショック』」
楓のスキルによって威力の上がった舞は犬のような生物を炎上させながら吹き飛ばし、陣の魔法は腹部を少しばかり抉り犬のような生物を打ち倒すと他の生物も逃げていった
「おいっ!誰かいるのか!?」
「だ、誰?!」
馬車の中から声が聞こえてきた
「俺達は旅人でこの辺で野営をしてたら叫び声が聞こえたから急いで来てみたら…。何があったのかを教えてくれるかな?」
優は警戒をしながら馬車の中の誰かに声を掛けたが返ってきたのは幼い女の子の声だったため警戒を緩めた
「そ!そんなことより!パパが!パパを助けて!」
「パパ?お父さんが怪我をしてるの!?陣!楓!早くこっちに!」
優は慌てて回復が使える陣と楓を呼び馬車の扉を開けた。そこには腹部から血を流す男の姿があった。
「これは…取り敢えず『回復の舞』」
「た、助けなきゃ!えっと〜、『ウォーターヒール』」
陣と楓の回復の二重がけにより男の傷は少しずつ塞がっていっており、唯一回復方法の無い優は治療が終わるのを待ちながら女の子と話をしていた。
「君の名前はなんていうのかな?」
「わ、私はステアっていいます…」
「そうか、ステアか良い名前だね。お父さんの事はあのお兄さんとお姉さんに任せればきっと大丈夫だから」
優は根拠の無い言葉で励ます自分に無責任さを感じたもののステアを安心させる為ならばと自己嫌悪感を押さえつけた
「どうしてあの馬車が襲われてたか分かるかな?」
「えと、よく分からないです。でも私が馬車の中で寝てたら馬車がいきなり止まって、それでパパも様子を見るって言って、それで外に出たら……パパ……ぱぱぁ……」
話しているうちにステアの目からは大粒の涙が溢れてしまっていた
「大丈夫、大丈夫だから。ありがとう、だいたい分かったから。怖かったね…」
頭を撫でるぐらいしかステアにしてあげられる事がない不甲斐なさに優は歯痒さを感じていた
凄い薄味の戦闘だったかと思います。
今後もっと迫力のある戦闘を書いていけたらなと思っています。