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第17話:服職人ナイロ

今日は映画を観てきました。非常に人気の高い洋画の数十年ぶりの続編とのことで前作を予習してから行ったのですがとても満足感のある映画でした。やはり映画は映画館で観るに限りますね。

服職人ナイロの朝は早い

朝起きたらまず素材の仕入れ

仕入れが終われば新作を作りながら客を待つ

そんな日々を繰り返すうちに創作意欲は失われていき、この所はこれといった刺激もなく新作を作れない日が増えていった

そんなある日


「すみませーん。誰かいますかー?」


そこにいたのはヘンテコな乗り物に乗った男と男女2人だった

そしてなにより…


「おいっ!あんたらその服どこでっ!」


ナイロは3人の着ていた服を見ると電流が走ったかのような衝撃を感じた


「こ、この服ですか?」


「そうだ!長年の服の仕事をしてきたから分かる。この服は私が未だ嘗て出会った事のない何かを感じるんだ!その服をよく見せてくれないか?」


その日は3人ともアリンさんから貰った服を午前中に受けた依頼の時に汚してしまい洗っている途中のため目立つのを承知で制服を着て街に出ていた

それを見たナイロは凄い剣幕で楓に詰め寄る


「ちょ、ちょっと待って下さい!いきなり詰め寄られても…」


「楓、陣。少しいいか?」


戸惑う楓を見て優は楓と陣を呼び寄せた


「な、なに?」


「恐らく相手方はこちらの制服にかなりの興味を示している。それを上手く利用すれば新しい服が割安で手に入るかも知れない。とはいえ、隠さないといけない事も多い。」


「で、具体的にはどうするの?」


「まあ、陣と楓は後ろで見ててくれ。交渉は得意な方だからさ。」


優は自信満々の顔でそう言った


「すみません、お待たせしました。私はユウで、後ろの2人は」


「ジンです」「カエデです」


「おお、何を話していたかは知らんが俺は長年この街で服職人をやっているナイロだ。それはそうと、早くその服をちゃんと見せてくれないか?」


それぞれの自己紹介が済むとナイロは待ちきれない様に催促した


「その事なのですが…実はこの服は私達の故郷の伝統的な服なので簡単にはお渡しできないんですよ。」


「そうなのか……しかし……絶対に傷を付けたりはせんしお礼も多少できるのだが……」


「ほう、そこまでこの服が気になられるのですか?そうですねぇ、そこまで言って頂けるのなら特別に少しの間お貸ししましょう。」


「本当か!」


ナイロは優の言葉に目を輝かせた


「しかし、1つお願いがあります。」


「お願い?」


「はい、私達は故郷から出たばかりでこれ以外の服を持っておりません勿論代金はお支払いするので旅に耐えうる服をご用意して頂けますか?」


優は交換条件を投げかけた


「旅というと耐久性がかなり求められるな……金は勿論だが時間もかかるぞ?」


「勿論承知の上です。その間はこの服を自由にお貸し致します。」


「本当か!これで、服の研究が更に進むぞ!」


制作期間中は制服を貸してもらえるという事を聞きナイロは色めきたった


「それと、他の服も幾つか購入したいのですが……」


「いいぞ、俺が見繕ってやろう。」


すると、ナイロは3人の体をマジマジと見ると悩むことなく3人に3着ずつ服を持ってきた


「こいつらなんかどうだ?」


それらは、派手さは無いもののどこか上品さを感じさせる物だった


「オシャレ……」


本来なら女子高生をやっている楓は見惚れていた


「楓は気に入ったみたいだな。それじゃあ、それにします。いくらですか?」


「ああ、代金はいいよ。どうせ長いことしまってただけだったしな。お前らを見てたらこいつらが頭をよぎったんだ、大切にしてくれればいいさ。」


「ありがとうございます!」


「それじゃあ、俺は試作に取り掛かるから1週間後に来てくれ。」


「分かりました。ありがとうございます。」


優は礼を言うと店を出た



_____________________________________________


「なんというか、凄く職人気質な人だったね」


「そうね!今からでもワクワクする!」


「そうだな、腕も人も良さそうだから、俺も楽しみだよ。」


3人は談笑しながら宿へと戻って行った

今回もお楽しみ頂けたでしょうか?

次回の更新をお待ち下さい。

また、ブックマークやレビュー、感想、誤字報告等はいつでも大歓迎ですのでどしどしお寄せ下さい。

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