第15話:理不尋問(りふじんもん)
今日のタイトルはダジャレです。最高に面白いですよね。
「……で、ユウだったか?」
「そうです……」
優はジスプロに連れられギルドの個室にて取り調べ(?)を受けていた
しかし、優としては自分の行動に一切の後ろめたさを持っていない為、半分ふてくされている
「どうしてあんな事をしたのかを説明してもらおうか」
「あんな事と言われましても……見ての通りですよ」
「どうしてお前があの冒険者に手を出したのかを聞いているんだ。とぼけてもいいが、その分牢獄が近づくだけだぞ」
「手を出したって……まるで俺が悪いみたいな言い方ですね」
優は自分が責められている事に少なくない不満を感じていた
「全くその通りだが?」
「はぁ、分かりました。何があったのか包み隠さずお話ししましょう。」
優は先ほど起こったことを出来るだけ客観的になるよう説明した
「以上が事のあらましです。満足ですか?」
説明とはいえ誇張はせずともかなり打算的な組み立てで話したのだった
「……分かった。少し待ってろ」
するとジスプロは部屋を出て行った。どうやら廊下で誰かと話をしているようだ
ガチャ
「一連の流れを見ていた人がいて向こうに非がある事が分かった。だから、出ていいぞ。」
「そうですか!あ、あと何か言うべきことがそちらにあるのでは?」
優の無実が証明され解放される事になったが、優は何かを思い出したようにジスプロに問いかけた
「ん?何の事だ?他の2人の事ならもう廊下に……「いやいや、違うでしょう」
いまいちピンと来ていないらしいジスプロに優は言葉を被せた
「謝罪ですよ、謝罪。無実の罪で尋問され、用が済んだら、ハイさようなら。なんて、流石に虫が良すぎじゃないですか?」
「なっ!チッ……疑ってしまい申し訳ない……」
優の言葉に動揺しながらも渋々ジスプロは謝罪した
(う〜ん、まだ何かアレだが疲れてるし良しとするか)
「いえいえ、こちらこそお世話になりました。それでは」
優はやれやれと言った面持ちで部屋を後にし、廊下の楓と陣に合流した。
「優!大丈夫だった?」
「高圧的だったのがイラッとしただけで特に問題は無かったよ」
「たしかに優、部屋に入る前から既に機嫌悪そうだったもんね……」
優が2人と話しながら移動していると、いつもの受付嬢から声をかけられた
「ユウさん!大丈夫でしたか?」
「ま、まあ。」
「実はユウさんの無実を伝えたの私なんです……外で声が聞こえて様子を見ていたら……そもそも、あの冒険者自体セクハラやらクレームやらで受付嬢の間で問題視はしていたんです」
受付嬢は優に対して申し訳なさそうに話をした
「それで、私も迷惑してて……懲らしめて頂いたお礼といってはなんですが……食事をいかがかなと思いまして」
「ほお、食事ですか。それは4人でという事ですか?」
「いえ、私も裕福という訳ではないので優さんだけでお許し願いたいです」
優1人というのが少し気がかりではあったが受付嬢の気持ちと懐事情を考慮し、優は食事に行くことにした
「それでは明後日の昼頃にギルド前で」
「はい!お待ちしてますね!」
受付嬢と約束をした優は2人と共に宿へと戻っていった
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「優、1人で大丈夫なの?階段とかあったら大変じゃない?」
「まあ、『オフロード』があるからなんとかなるよ。あと、心配でも付き纏わないでくれよ?あの受付嬢さんの性格だと見つけたら無理してでもご馳走してくれそうだし」
優は2人について来ないように伝えた
「それは、そうと明日はどうするの?」
「まずは、午前中は依頼を受けて、午後からは貯めたお金で服を買おうと思う。この世界に来てからまともな服を持っていないだろ?」
「それもそうね、ちゃんとした服を買いましょう……(デートのためじゃないといいけど)」
「ん?楓何か言ったか?」
「いいえ!何もぉ!」
「?」
優は楓の言葉に疑問を抱きつつ陣は2人の様子を苦笑いしなが眺めていた
今回も楽しんで頂けたでしょうか?
次回の更新をお待ち下さい。