第12話:ステアリン商会
今回も楽しんで行って下さい。
「ようこそお越しくださいました。お待ちしておりました、お荷物をお持ちします」
宿の中に入るとベルボーイに声をかけられた
「いやいやいやいやいやいやいや!アリンさん!僕たちこんな宿に泊まれるほどお金持ってませんよ!」
あまりの高級な雰囲気に優は慌ててアリンに言った
すると
「何を仰られますか!あなた方は私とステア、それどころか我々ステアリン商会の恩人なのですよ!」
とアリンは興奮気味に言った
「ス、ステアリン商会とは?」
「お教えしましょう。我らがステアリン商会とは…」
そこから約30分ほどアリンからステアリン商会についての話を聞かされた
まとめるとこうだ
ステアリン商会とはアリンが若い頃に立ち上げ一代で大きくしていき、今ではこの世界の中でも超一流の商会らしい
そして、そこの会長のアリンがどうしてあんな事になっていたかというと…
「初心を忘れぬ様、今でも可能な限り自分で取り引きに出る様にしているのですよ」
だそうだ
そして、そのステアリン商会が運営している宿屋がここで是非泊まって欲しいとのことだ
「ほ、本当にいいんですか?」
楓は遠慮気味に言った
そもそも、3人とも普通の家庭で育ったため地球にいた頃でさえこんな宿に泊まった事はないので無理もない
「もちろんです、さあ!」
アリンは優達を部屋へと案内した
案内された部屋はリビングの様なくつろげるスペースがあり、寝室も3人分あるものの豪華過ぎず上品さのある部屋であった
「それでは、夕食の準備ができたらお持ちしますのでそれまでおくつろぎ下さい」
「それでは、私も事故の報告や雑務の方があるので。近いうちにまたお伺いすると思います。それと、皆様の服はこの街だと目立つかと思いまして一般的な服をご用意しておきましたのでよろしければお使いください。」
「服まで!何から何までありがとうございます」
「いえいえ、命の恩人なのでこれぐらいはさせて下さい。それでは、仕事があるので…」
アリンはそう言ってベルボーイと共に去っていった
「そういえば、ステアちゃんは?」
「僕たちが宿に驚いてる間に疲れて寝ちゃって、商会の人が連れて行ってたよ」
「そうか」
ステアの事が少し心配ではあったが商会の人が連れて行ったならと安心した
「取り敢えず、夕食を食べたら色々と整理をしよう」
「そうね、この世界に来てから色々あり過ぎてまだ混乱してるもの」
「そうだね…」
リビングでくつろぎながら頭を整理しつつ今後の方針について話し合うこととなった
今回も楽しんで頂けたなら幸いです。
次回の更新をお待ち下さい。