第11話:魔改造への誘い
『お前今の車椅子に満足か?』
優はデウスエクスマキナの言っていることが理解できなかった
(それは……どういう?)
『つまりもっと速く、もっと快適に、もっと強い車椅子が欲しくないかってことだ』
デウスエクスマキナの話はこうだった
この世界にはデウスエクスマキナも知らない未知の力が溢れている。そして、その力は物作りにも応用されておりそれがデウスエクスマキナのインスピレーションを刺激した、ということらしい。
(それで、俺に対するメリットというのは?)
『お前は俺の加護で物作りがめちゃくちゃ得意になっている。そこに俺の発想と幾らかの手助けを加えてお前の車椅子を魔改造する!』
(おおっ!)
優も男の子である。
陣ほどでは無いがバトルアニメは良く見るし、ロボットのようなメカメカしいものは大好物であった。
そんな優にとって魔改造という言葉はどストライクなものであった。
『どうだ!協力する気になったか!』
(はいっ!)
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「……う……ゆう……優!」
「はっ!」
優は楓に声をかけられ我に帰った
「さっきから何か様子が変だけど大丈夫?」
「あ、ああ。少し面白い事が……まぁ後で2人には話すよ」
「そう、分かったわ。それよりあの機械の説明聞いてた?」
「ごめん、聞いてなかった」
すると話を聞いていた陣が説明を買って出た
「なら、僕が説明するよ。あの機械は……「手を触れると魔力を読み取って名前、ステータスとかを読み取るんだって!」
「えぇ〜僕が言おうとしてたのにぃ…」
陣の説明に横入りした楓は自慢げな顔をしていた
さらに細かい説明はこうだった
・魔力を感知する
・感知した魔力から名前、ステータス、属性等の詳細を読み取る
・読み取った内容を特殊なプレートに記録する
と言ったものだった。
さらにプレートは
・所有者以外は使えない
・発行できるのはギルドだけ
・ギルドの登録証になり貢献度によってランクが変わる
・身分証にもなる
・討伐した魔物を記録する
・ギルドは魔物の討伐記録のみ閲覧可能
その後3人はそれぞれプレートを作成した
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種族:人族
固有名:東雲 優
年齢:16歳
魔法適正:大気
ステータス
筋力250
魔力???
魔攻350
魔防150
物防150
敏捷0
技巧300
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種族:人族
固有名:姫野 楓
年齢:16歳
魔法適正:火
ステータス
筋力150
魔力1000
魔攻450
魔防90
物防90
敏捷250
技巧150
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種族:人族
固有名:黒鉄 陣
年齢:16歳
魔法適正:水
ステータス
筋力90
魔力1500
魔攻500
魔防150
物防150
敏捷50
技巧60
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受付嬢さん曰く
一般成人
筋力100
魔力0〜100
魔攻0〜100
魔防50
物防50
敏捷100
技巧0〜100
だそうだ
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中々ツッコミ所の多い結果となった
「おぉう……と、取り敢えず一旦置いておいて夜話し合おう」
「皆さんはこの後どうされますか?お金は魔物の討伐報酬があるので大丈夫だとは思いますが……」
あの生き物は魔物言うらしく倒すとお金が貰えるそうだ
「え?でも俺たちが魔物倒したのってプレート作る前ですよ?」
優は疑問を投げかけた
「魔物の討伐はプレート作製以前の分も記録されるので問題ないです」
「そうなんですね!じゃあ受け取って来ます」
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「それでは3人でコボルト5体なので、銀貨2枚ですね」
この世界の通貨単位は以下の通りだ
小銅貨 1円ぐらい
銅貨 10円ぐらい
大銅貨 100円ぐらい
銀貨 1000円ぐらい
大銀貨 10000円ぐらい
金貨 10万円ぐらい
大金貨 100万円ぐらい
白金貨 1000万円ぐらい
大白金貨1億円ぐらい
これは街に向かいながらアリンさんから聞き、イメージしやすい様に円で表したものだ
「となると……コボルトは一体あたり大銅貨4枚か……あれで400円は少し割にあわないな……」
「本来でしたら魔物の素材や魔石の買取もするのでもう少し高いのですが……」
「あっ、そうなんですね」
「素材!魔石!そんなものまであるなんて!ここはつくづく日本の創作みたいな世界だね!」
「そ、そうだな。でもその2つを回収する術を手に入れないとどうにもならないな…」
「取り敢えず今日は宿で休まれては如何でしょうか?近くに私の商会の宿があるのでそこを紹介しましょう」
気がつくと外は夕暮れ時、今にも日が暮れそうになっていた
「いいんですか!ありがたいです!」
宿の心配もしていた優にとっては渡りに船だった
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「こ、これは…」
「うおお!」
「す、すごい…」
アリンさんに連れられ着いた宿はさながら高級ホテルのような宿だった
「アリンさんって一体何者…?」
特に書くこともなかったので前書きは省略してみました。
今回も楽しんで頂けたなら幸いです。
次回の更新をお待ちください。