下着泥棒
犯罪心理学の本を読んでる時に「下着泥棒」が出てきて使えそうだなと思ったので使いました。
本コーナーは4階にある。
そこに行くためエレベーターを使うことにした。
ボタンを押すと、ドアが開く。
あれ?この人見たことあるような……。
エレベーターの箱の中にはサングラスをかけたハゲたおっさんがいた。
記憶の引き出しを一生懸命に引っ張ると、中から3日前の光景が出てきた。
あー、スッキリしたぁ。
野ぐそした後、林の中から出る。
すると、目の前の家の2階のベランダにおっさんが立っていた。
干してあるものをこっそりと鞄の中に入れている。
おい、あれって……!下着泥棒じゃねえか!これは撮らないと。
スマホでカシャっと撮ってやった。
これは面白い。日記に書こっと。
犯人との2人きりの時間は気まずかった。
ここに下着泥棒いるんですけど。どういう気持ちでおればいいの。
沈黙を破ったのはおっさんだった。
「若い女性が下着盗られたニュース見ました?犯人まだ捕まっていないみたいですね。早く捕まればいいのに。僕、ああいうことする人、許せないんですよ」
「あー、僕もそのニュース見ました。僕もああいう人、許せません」
はあ?犯人あんただろ。それなのにのんきな気持ちでいるとか、どういう神経してんだよ。
もう怒った。警察にチクってやる。
家に帰る途中、警察に証拠写真見せてチクってやった。
翌朝、テレビをつけると、「下着泥棒逮捕」のニュースが飛び込んできた。
逮捕されたか。悪いことをした人は地獄を見てこないとね。
「福留容疑者は『悪いのは僕じゃありません僕の性欲です。えっと、被害者の女性とは結婚したかったです』と供述しています」
犯人、全然反省しとらんがな!
あのおっさんには呆れたのであった。
読んでくれてありがとうございました。