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学校の8不思議  作者: 城河 ゆう


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30/41

第30話 これから……

ちょっと短め。

キリがいい所までと思ったら、想定より短くなってしまった……

 しばらく走って、廊下の突き当たりにあった階段を下りたところで、物陰に身を隠した私達は、走ったことで荒れている呼吸を整えながら、息を潜めていた。


「西崎君、大丈夫かな……」

「力では負けてなさそうだったし、何とかなるとは思うけど」


 新田さんと伊坂さんが話しているのを聞きながら、私の頭の中は混乱でいっぱいいっぱいになっていた。


 私達が順に抜けてきた隠し扉から現れた“仮面の人物”。


 つまり、あの人物は、私達の後ろを付いてきていたか、もしくはあの教室に潜んでいた事になる。

 そして、1人ずつ隠し扉を抜けて行き、東川さんが最後の1人になったタイミングで、姿を見せて襲ってきたんだろうか?



 それとも……?



 さすがに、ヒントが少なすぎるか。


 とりあえず、今は――


「――しばらく様子を見るとして、その後どうします?」

「それって、進むか、戻るか……って事よね?」


 私の疑問に伊坂さんが質問を返してきたので、頷きで肯定を示す。

 表情を見る限り、伊坂さんは(・・・・・)一度戻った方がいいと思っていそうだけど。


 たぶん、その隣にいる新田さんは――


「私は、聡美達を探しに行きたい」


 ――ですよねぇ。


「そう言うとは思ったけど、結構、厳しい状況よ?」

「西崎さんも東川さんも、居なくなっちゃいましたからね……」


 言いながら、スマホを操作している伊坂さんを見て、一瞬、携帯で連絡が取れないか、とも思ったけど、“旧校舎亡霊”の事も考えると、連絡するのはリスクが高そうな気もするし。


「そう……だよね。 でも、やっぱり、こんな機会、もう無いかもしれないし――」

「わかってる。 ――これでよし。 2人には『こっちはこっちでやるから、そっちもうまくやって』って言っといたから」


 そう言って肩を竦めた伊坂さんの様子に、バッと顔を上げた新田さんは、今にも泣き出しそうな表情で、小さく「ありがと」とこぼした。


「気にしないで。 榛奈だけ置いていけないし、それに――」

「――それに、2人を見つけたいのは私達も同じですから」


 伊坂さんの言葉を引き継いで、私も新田さんに声をかける。


 ――いや、どちらかと言うと、自分に言い聞かせてる、と言う方が近いかもしれない。


 実際、二人を見つけたいと思っているのも確かだけど。


 やっぱり、怖いのだ。


 幽霊なんかの、得体の知れない恐怖じゃないだけ、私的には多少マシだけど。

 その分現実的な危険が迫ってくる感じが、ヤバイ。



 ――ただ。



 正直、今にも逃げ出したい気持ちはあるけど、それ以上に2人の役に立ちたい気持ちが大きくなっていた。


 警察署で話を聞いたから、と言うのもあるだろうけど、なにより、ここまで一緒に来て、沢山支えて貰ったから、と言うのが一番だと思う。


「――だから、絶対、見つけましょうね」

「……うん。ありがとう、2人とも」


 新田さんの言葉を合図にしたように、私達はそっと立ち上がり、周りに注意しながら、新しい手がかりを探すため、動き出すのだった。

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