3話 『日常』
ちょっと短めです。
始めの一週間は夏休み明けのテストなどで忙しく過ぎていった。一文は成績はいい方なので毎回テストでは上位に君臨している。今回も理系では全体4位だった。
(ふう、ノー勉だったけど結構良いとこいったな、これでモテるかも?)
今回のテストは物理が難しすぎて平均点が100点中20点台だったらしい。生物選択者と物理選択者でまとめて順位が出るので生物選択の一文はノー勉でも対抗できたというわけだ。
そういえばゆで卵をお題にして俳句を詠んでいたときに「ノー勉で 挑んだテスト ゆで卵」とか詠んでたあいつはどうなっただろうか。確かゆで卵は0点の事だっけ?あと先生がハゲてることも表してるとかなんとか…
英語の小テストで0点だったときに点数のところにeggって書かれたのを思い出して詠んだらしい。eggって書いたやつ、なかなかのセンスしてるな。
次の週の初日、一文は生物の授業を受けていた。生物の授業は週4回、教室ではなく、生物講義室で行われる。一文は教室の席と同じところに座り、授業を受ける。
夏休み明けからは大学入試に向けての勉強だが、一文には簡単に思えた。
(やっぱり超エリートの僕には簡単すぎてつまらないや)
そこで一文は資料集に載っている生き物の絵を机に描いて暇を潰すことにした。
(さて、今日は記念すべき一発目だ。何を描こうか)
そうしてパラパラと資料集をめくっていると、恐竜のページを見つけた。
(よし、今日はアロサウルスを描こう!)
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授業が終わる5分前、一文は机を見つめてニヤついていた。
(我ながら上手く描けたな)
次の授業ではネズミの絵を描いた。これもなかなかの出来だったので一文は自分には絵の才能があるのではないかと思い始めていた。
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今日は9月の2週目に入ってから3回目の授業だ。一文はこの前のアロサウルスの絵の近くに何か見覚えのないものが書いてあるのを見つけた。
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