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実力主義高校の日常  作者: Haruhi AA
1/5

1、強烈な出会い

初投稿です。誤字脱字等あったら報告お願いします。

また救えなかった。また失敗した。またダメだった。あの子を救うことはもう無理かもしれない。これが最後の希望だ。僕は最後の希望にかけて目を閉じた。


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今日は高校の入学式である。陰キャの僕にとっては一大イベントである。ほかの人でもそうなのかもしれないが。

とりあえず念には念を込めて早く来てみたのだが、全然人がいない。受付カウンターすらない。そりゃあそのはず、僕は2時間以上前にここにきていたのだから。


暇だからとりあえず校舎の周りを散策してみることにする。なんか人の声がした。あと、金属音も。何が起こっているのだろうか。校舎の陰から少し身を乗り出してのぞいてみると驚くべき光景が広がっていた。


身長190㎝はあるのではないかというような屈強そうな大男と、小学生のような小さい女の子が拳銃と剣で戦っていたのだ!そりゃ誰だってびっくりするもんだろう?というかそれよりも驚くべきことがある。


その二人は戦っているようなのだが、息をするのを忘れるほど素晴らしい戦いなのだ。女の子は拳銃、大男は剣なのだが、男は女の子が打ってきた弾を剣ではじいているし、女の子は女の子で剣の間合いに入らせず、また威嚇で撃ったように見せかけたのを壁にうまく当てて攻撃しようとしていたりと言葉では言い表せそうにない。しかも小さいのに女の子の方が優勢だ。


「おい」急に男が声を出した。「なんか変な奴の気配がしねえか?」

俺はドキリとするが姿はまだ見られていないのでばれることはないだろう。そこに女の子も言う。

「ええ、そうね、うちの高校の生徒ではない気配がする。うちの生徒だったらもっと気配を消せるはずだもの。」

「じゃあつまり誰だ?」

「正体は決まっているでしょう?うちの高校の生徒ではなくこの高校の敷地内に入っているならば今日入学する予定の子でしょ」

あっさりばれた――――。


どどどど、どうしようどうしよう。今から走って逃げるか?いや、気配で人がいることに気付けるのだから音でなんてもっとばれるだろうし、あんなハイレベルな戦いをしていたならば、俺が全速力で走ってもすぐ追いつくだけだろう。さて、ここで俺が今やるべきことは?


1、物は試し、走って逃げてみる。

2、ここにとどまり、誰もいないように見せかける。

3、普通に出ていき、謝る。


まあ常識的に考えて1はないだろう。じゃあ2か3か…。

…と俺が足りない頭を必死に絞って考えていると足音が近づいてくる。


もうばれる。とりあえず出て行って謝るという3の選択肢しか残っていないだろう。

「あ、すみません。音がしたのでのぞいてみたらすごくかっこいい戦いをされていたのでつい見入ってしまいました。本当にすみません。このことは他言無用にしますので帰ってもいいですか?」


俺が急に角から出てきたので二人は面食らったようだ。ものすごい驚いた顔をしている。

「おーい、あのー大丈夫ですか?」

「お、おう。大丈夫だ、問題ない。」「ええ、心配ないわ」

とりあえず平気らしい。とりあえず疑問をぶつけてみる。

「どうして二人は戦っていたんですか?」

「「…………」」

3人の間で沈黙が流れる。

最初に口を開いたのは男の方だった。


「君はこの高校について何も知らないのか?この高校では何をするのかーとか」

「え?何も知りませんが。普通の高校じゃないんですか?」

「いいや違うよ。この高校はさっきのような戦いが日常茶飯事なんだ。まあ自分で言うのもあれだけどあんなに技術が発達している人は俺と会長だけだけどね。」

なんか俺の聞いていた話と違うぞ。おい、だれだ、この高校について俺に教えてくれた奴は。

「へ、へえーそうなんですか」相槌を打つことしかできない。

「ところでなんで君は何も知らないんだ?高校に合格通知が来たときにこの高校の職員が来て説明していかなかったのか?あと、一応高校を受ける前に個別相談会のようなものに出ていれば耳にはすると思うんだけど」


おい、陰キャで引きこもりでそんなところに行かずネットで調べて受けに来たような奴に言わないでくれ。心が痛む。

「はい、まず外に出ていなかったのでそういうところに行かず高校のHPだけ見て高校を決めました!」

「なんでそんなにどや顔なんだよ」

ようやく女の子が口を開く。「そういえばまだちゃんと自己紹介してないわよ」


「ああ、そうだった。じゃあ俺から。俺の名前は清水ケント。一応この高校で副会長をやっている。ちなみにこの高校は実力主義なんだ。力が強ければ強いほど上に行ける。はいじゃ、次会長どうぞ」

「私の名前は岩崎マナミ。この高校の生徒会長をやっているわ」

おお!すごい。この場に学校内で一番強い人と二番目に強い人がいるなんて。


ボーっとしていると問いかけられた。「あんたの名前は?」

「僕は山下レオンです。今日からこの高校に通うつもりです」

「つもりってwww面白いね君―」なんか変なところでツボっている。

「まぁそんなことは置いといて。君どうやってここの入試受けたの?ここはさっきも言ったと思うけど戦うことが日常茶飯事の学校よ?入試だってそういうところを基準に見ていくのに君は何をしたの?」

何をしたの?と言われても僕は筆記試験と面接を受けただけだ。


「えっと、普通に筆記試験受けて面接受けてちょっとしたら合格通知が来て先生が来てー今の状態なんで

 すが。」

「どうしてかしら」

「あ!わかったかもしれない!君は特待生なんじゃない?」

「特待生?まぁそうと仮定すれば筆記試験と面接だけで終わったのも納得できるけど…」

「特待生って何ですか?」

「この学校の特待生と呼ばれる人は家が名家とかじゃなく普通の家なんだけど、どこかしらで実力とか才能を認められている人たちだったり、世間から実力を認められている人がこの高校に売り込みにきたりした人のことだよ。普通の家から強い人が出てくるなんて普通だと思うんだけど大人の事情によってそうなっているんだ。」

「へぇーそうなんですか。けど僕が特待生なのはいいんですけど僕なんか実力だとか才能なんて知りませんよ?何も習ったことないし、部活もしてこなかったし」

「じゃあこの学校にはどうして入ろうと思ったんだい?」

「中学校の調査書を見ず、面接と筆記だけで合格が決まるっていうところと、幼馴染に勧められたからです。」

「幼馴染…。この高校には一緒に通うつもりなのかい?」

「はい、そうなんですけど。彼女も事情があってどうなるかわかりません。」

「それはどういうことだい?」

「彼女は中学3年生のころまでは普通の優等生だったんですけれど事件があって部屋から出てこなくなったんです。僕はその部屋から出てくる前にこの高校を進められて一緒に行こうと目標をたてたんです。まぁずっと部屋にいるから入試を受けたことすらわかんないんですけどね。」

「もしかしてその幼馴染って、松橋ナナって子じゃないわよね?」

「え!?何で知ってるんですか?そうですけど…」


「じゃあその子はこの高校に通うよ。ちなみに入試もトップ成績だったよ。」

「まぁまぁ、おしゃべりはそのくらいにして。そろそろ入学式が始まるわよ?」

「あ!」ふと時計を見ると入学式が始まる10分前。ギリギリだ。

「ありがとうござました!!」

「いいえーこちらこそーまた会えるといいねー」


すごい友好的な先輩たちだったな。とりあえず体育館に行かなきゃ。




ここまで読んでくださりありがとうございます。

次の話は入学式が始まったところ~クラス分けのところまでの予定です。

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