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灯される者  作者: 池田修
1/1

突然のお願い


「 もし君がまだこの世界に生きる意味を探そうとするなら、僕は…」


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朝起きるとちょうど下から「起きなさ〜い」と母の声が聞こえ、時計を手に取り見ると、もうとっくに8時を過ぎていた。


ベットから起き上がり、部屋の扉を開け階段を降り母の所へ向かった。

「おはよう」僕が言うと「おはよう」と返し続けて「今日は近くの孤児院の子達と遊んであげるんでしょ」

と優しく言った。



昨日の朝、村の男達が集会所に集められ、夜になるまで話は続いた。

僕は夕方から夜まで他の家の家事を手伝い、家に帰ろうと明かりの無い道を進んだ。


「お、アレンじゃねーか」後ろから明るい声が聞こえ、振り向くと孤児院のマスターのジークが手を振りながら僕の方へ歩いてきた。


「また家事を手伝っていたのか」と優しく言うと僕は「はい、今日は料理の手伝いをしていました」

と笑顔で答えた。


「そんなんじゃ女の子にモテないぞ」「なんですかいきなり」


突然変な事を言い出すので、僕は動揺を隠せなかった。


「男は力があってそれに見合った優しさが大事なんだ」「へ、へぇ〜そんなんですね〜」


さっきの動揺を隠せないまま、 僕は苦笑いしながら答えた。


「それに比べてお前はやってることが女の子みたいだぞ」「な、僕はれっきとした男ですよ!」


茶化してきたので、僕は動揺しながら反論した。


「だったら前世は聖母だったんじゃないか。それだったらお前の面倒見の良さに納得だ」「だから僕は」


同じように反論しようとすると、ジークはいきなり真剣な顔になった。


「それだけお前は優しいってことだ。」


周りに静寂が広がった。


「男らしさは別としてな」


そしてまた茶化すので、僕は「だから僕は、れっきとした男です!」と強く念を押して言った。


そしてしばらく歩いていると 「なぁ、ちょっと頼みがあるだが」と言われ、僕は少し警戒しながら

「なんですか」と返した。


「実はな、ちょっと厄介事が舞い込んできてよ、その間孤児院の面倒が見れなくなるんだよ」


少し怖い顔になったジークを見ると僕は「それって朝に開いた集会と何か関係があるんですか?」と質問した。


「いやいや、別に大した事じゃない。ただ、子供達の面倒を見る奴が居ない方が心配だ」


「まさか僕が…」「そうだ、お前に子供達の世話を頼みたいんだ」


僕は少し戸惑い「なんで僕なんですか?」と返した。するとジークはまた僕を茶化すようにして


「さっきも話しただろ。お前は面倒見が良くて、優しいからだよ。」と答えた。


「それだけですか」「あぁ、それだけだ」


そんな話を続けているともう家の前まで来ていた。


「じゃ、頼んだよ」「え…」この会話が終わるとジークは孤児院の方にダッシュで向かった。


それで今日、僕は孤児院の面倒を見る事になったのであった。


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