“噂”
ホラー系統は初書きなので、上手くないです。
今日...というか最近。私が通う学校で噂になっている話がある。
その噂によれば、身長が低いとか手が汚いとかで自分に自信が無い者たちが、急に身長が伸びたり手が綺麗になっていたりするらしい。
詳しい噂を聞いてみると、特殊な方法でしか入ることができないサイトの存在を知った。そのサイトで、自分が伸ばしたい身長やどんな手足が欲しいかという注文をする。
すると、一週間以内のうちに睡眠をとっている間に、継ぎ足されている...という噂を知ることが出来た。
私は、正直言って身長は女子の中でも低いし、体が綺麗だと思っているわけでもない。
この噂を聞いた時は、嘘だろうと思った。こういうのは、どこかの悪徳企業が儲かりたくて流した噂だとでも思って流していた。
だが、そのサイトだけでも見てみるかという気が起きた。何故かは分からないが、冒険心というやつだろうか。
そのサイトへの行き方は、案外簡単だったりする。適当なサイトを長時間渡り歩いていると、通常とは違う広告が出現する。それをタップすれば簡単だ。
「ちょっとだけやってみようかな...」
私は、興味もないサイトを長時間片っ端から見ていった。どのサイトにも一つは広告がある。
「怪しい広告ばかり...」
二時間ほど経っただろうか。どこから見ても、おかしな広告が現れた。
その広告は、真っ黒で何も書いていない。だが、何か引き込まれるものを感じ、思考が止まり、自然とそれをタップしていた。
「なにこれ。」
そのサイトは、真っ黒だった。スマホで検索をしていたのだが、スマホの画面が真っ黒になった。
そこで私は一つのアイディアを思いついた。
「色を反転させれば...」
スマホの機能の一つに画面の色を反転させるものがある。それを使えば何か分かるかもしれない。そう思い操作をしてみる。
すると、画面にサイトの内容が映った。
「ほんと...このサイト何...」
私が見たのは、性別、身長、体重、年齢の入力画面だった。
さらにその下には、もう一つ入力欄があった。
「...希望するパーツ名...伸ばしたい身長...」
私は...自らの欲望に敗北した。
もう...何の迷いも躊躇いも無く...
その場で...
............
.........
......
ドキドキしながら、布団に入る。
「明日も学校か。」
そう呟き、静かに眠る。
そして、次の日の朝。自分の体の変化に驚く。
手は見違えるほどに綺麗になり、身長も昨日までとはだいぶ違う。
まさか本当にこうなるとは思っていなかった私は、唖然とする。
はっとすると、周りに何かないかと探してみる。
...痕跡は一つもなかった。
今日から私も...!
今はただその高揚感でいっぱいだった。
家族や友人たちには、多少疑われたが、そこまで追求されることはなかった。
とても不思議だった。
そんな事があってから一週間が過ぎようとしていた。
昼休みになり、弁当を食べていた時のことだった。
「なんか臭くねぇか?この教室。」
男子がそう言った。
「わ!ほんとだ。なんだろ...この匂い...すごく臭い。」
それに女子が反応する。
たしかに臭い。何かが腐っているような...
そこで気づいてしまった。
腐っているのは私の体だ。
あの日、継ぎ足された部分が少しずつ変色していた。それに...とても臭い。
私は学校を慌てて抜け出した。
走ると肉や骨が変な音を立てるので、なるべく人目につかない、路地裏などを通って家へと向かう。
だが、家には家族がいるかもしれない。
そう思いつつもなるべく急いで家へと向かう。
家へと辿り着いた。変色が学校で見た時よりも進んでいる。
家には誰もいなかった。取り敢えず、この変色した部位に包帯を巻こうと思い、救急箱を出す。
重たい救急箱を持ち上げた瞬間、嫌な音が腕から聞こえてきた。咄嗟に救急箱を放り捨てる。
慎重に救急箱を開け、包帯を全部取り出す。
その包帯を腕や足に巻く。制服をめくると、体のバランスのために、継ぎ足さられた部位も腐っていた。
「なんでこんなことに...?」
私は疑問に思い、もう一度あのサイトを見ることにした。
あの日二時間かかった作業は、奇跡的に二分ほどで済んだ。
反転させようとして、ある事に気がつく。
「...横にも何かある...?」
画面を横にスライドすると一箇所だけ真っ白い部分が現れた。そのまま色を反転させると、注意事項と書かれた部分が出現した。
そこには...
「注意事項。このサイトで注文する部位は一箇所のみにしてください。多数注文されると、作業に支障が発生する可能性があります。その場合、一週間程で体に変化があります。そうなった場合、助かる手段は何一つとして無いので、ご理解お願いします。」
私は...死ぬ。
腐って死ぬ。
自分の欲望を叶えようとした結果、死ぬ。
ここで腐って死ぬのは嫌だ。
だれもこない場所で、死にたい。
...そう虚ろな頭で考えた私は、スマホ片手に、近所の大きな橋の下へと向かった。
背の高い草むらへ倒れこみ、包帯を巻き続ける。
何の意味も無いのに。
ただ綺麗な自分になりたかったのに。
そう考えた。
意識が薄れる。
腐食は全身を喰い散らかした。
意識が完全に途切れるであろう瞬間。
一つの声が聞こえた。
「あいつらが憎いだろう?どうだい?私と一緒に来るかい?あいつらを...憎っくき奴等を...叩き潰すために。」
女の声だった。
復讐ができるの?
こんな状態の私でも?
なら...
それなら...
私は...