(短編)ニシの浜の日
シュリの都の先の先、遠い遠い南の海に、小さな島が浮かんでいます。
島の名前は、ハテルマ島。
小皿をひっくり返したような、ちいさくて平べったい珊瑚礁の島です。
さてそこには、二人の男の子が住んでいました。
ひとりは、アカハチといいます。
この子は少し先の時代には「オヤケアカハチ」と呼ばれることになりますが、それはここではあんまり関係のないおはなしです。
もう一人は、マツーと言います。
この子は少し先の時代には「長田大主」と呼ばれることになりますが、それもここではあんまり関係のないおはなしです。
さてさて、きょうもいい天気。
二人は島の北西にあるニシの浜で落ち合う約束をしていたんです。
ニシの浜はハテルマ島の浜の中でも飛び切り綺麗な、なが―い浜。透明な波を眺めながら、白い砂の上をどこまでだって歩いて行ける気がします。
アカハチもマツーも、この浜が大好き。二人は同じ十四歳で、同じ剣のお師匠さん(ナリヤ鍛冶という女のひとです)に弟子入りしているんですが、このお師匠さん、ちょっと気まぐれなんです。
「今日は二日酔いだから」とか「今日は刀を打つから」とか言って、しょっちゅうお稽古をお休みにしてしまうんです。
そんな日は、大抵アカハチとマツーはニシの浜で落ち合って、そのままおしゃべりをしたり、魚や貝をとりに出かけたり、たまにはアカハチがマツーに勉強を教えてもらったりしていたのでした。
今日もそんな一日。
さいわい、珍しく昨日のうちにお師匠さんが「明日のお稽古はお休み」って言ってくれていましたので、二人はあらかじめ待ち合わせをしていました。
でも、アカハチは少し、遅れてしまったんです。
昨日の晩にひどい風が吹いて、アカハチの小さな畑をめちゃくちゃにしてしまいました。
それで、アカハチは夜も明けないうちから一生懸命、倒れた柵を直したり、野菜の支柱を立て直したりしていたんですけれど……やっぱり遅くなってしまいました。
アカハチは、独りぼっちで暮らしています。本当のお父さんにも、お母さんにも会ったことがありません。
まだ赤ちゃんだったアカハチを、村のおばあさんが拾って育ててくれたんですって……。でも、そのおばあさんも亡くなってしまいましたから、アカハチは自分の食べるものを自分でお世話しなくてはいけません。
マツーとアカハチはとっても近くに住んでいましたので、時々、マツーが自分のお家の畑からお野菜を持ってきてくれたり、お魚を分けてくれたりするのですが、アカハチは、それが嫌なのでした。
マツーは島で一番のお家のお坊ちゃま。お父さんもお母さんも亡くなってしまっていましたけれど、しっかりもののお姉さんがお家を守っています。かわいい妹と、弟も二人います。だから、マツーがニコニコしながらお魚やお野菜を持ってきてくれるとき、その向こうにあったかいお家が見えるようで、アカハチは苦しくなるのでした。
アカハチの髪の毛は、金の筋が混じった赤茶色。瞳の色は、緑ががった青い色。黒い髪に黒い目の島の人たちとは、全然違うんです。
だから……色んな人から嫌なことを言われて大きくなりました。
いじめられたりもしました。
大抵いつも、独りぼっちで過ごしてきました。
アカハチの見た目を気にしなかったのは、マツーだけでした。
ハンブン・ヨソモノ……そんな嫌な言葉を我慢できるようになったのは、マツーが友達になってくれたからです。
でも、と息せき切ってニシの浜に駆けてゆくアカハチは思います。
そのマツーにだって、大変なことはあります。
島の人たちは表立っては言いませんけれど、亡くなったマツーのお父さんは、本当のお父さんじゃないそうです。
マツーの本当のお父さんは、遠いミャーク島のお侍さん……。だから、マツーはしばらくミャーク島で育てられていました。ハテルマのお母さんが亡くなって、家に帰ってきたのは本当につい最近のことなんです。
長いことミャークにいたせいで、マツーは少しだけハテルマの言葉が苦手です。最近は随分良くなりましたけど、しゃべり方も少し、子供っぽいんです。無理もありませんね、マツーがハテルマの言葉をしゃべっていたのは八歳までで、その後はずっとミャークの言葉で暮らしていたんですもの。
だから……マツーもやっぱり、ハンブン・ヨソモノ……って言われていました。
そんな二人はいつも一緒。
どんな辛いことも、二人一緒ならなんとかなる気がするのでした。
どんな哀しいことも、二人で笑い合えば大丈夫な気がするのでした。
あっ、アカハチの視線の先に、ニシの浜の海が見えてきましたよ。
今日のニシの浜は、鮮やかなねおんぶるー。なんてきれいなんでしょう。十四年間、この島に住んでいるアカハチだって飽きることがありません。思わず顔をほころばせながら、急いで浜への坂を駆け下ります。
マツー、マツー……マツーはどこかしら。
きょろきょろと探すアカハチの顔が輝きます。
いました。細かい白砂の浜の奥の方、緑の木の葉が影を作っているあたりにマツーの着物の袖が見えます。
ふす、ふすと砂を踏みしめながらアカハチは笑います。
「悪い悪い、遅れちまった」
でも……木の下のマツーはピクリとも動きません。
怪訝な顔で覗き込んだアカハチは苦笑い。
待ちくたびれたんでしょう、マツーは砂の上ですやすや眠りこけていました。
これ、マツーの変わった癖なんです。いつでもどこでも、スッと眠り始めてしまうことがあって、そういう時は全然目を覚まさないんです。
今日もそんな感じ。アカハチが「なあ、起きろよ、起きろってば」って言っても、全然だめ。スヤスヤ、スヤスヤ眠ったまま。
仕方がないから、アカハチはマツーの隣の砂浜に腰を下ろしました。
視線の先にはざざ……ざざ……とはじける波。それにきらきら弾ける陽の光。
時々綺麗なちょうちょが波のすれすれに飛んでは、砂浜に戻って……。そんな繰り返しをアカハチはしばらく眺めていました。 隣の寝息を聞いていると、アカハチまで眠くなってしまいそうです。今日は早起きでしたからね。
ふわ……と小さくあくびをかみ殺した時……遠くから聞こえてくる音がありました。
ぶー……ん、という、音。
アカハチの青い瞳が、警戒に見開かれます。
はちです。はちの大軍が、砂浜の向こうから二人に向けて飛んできていました。
アカハチは混乱します。あれは、おとなしい種類のはちのはず。臆病で、人間から悪さをしない限り、何にもしてこないはずなのに……。大体、砂浜に蜂の群れが来るなんて……。
こうなると、考えられるのはただ一つ。
「蜂ども! 俺のマツーは花じゃねえぞ!」
アカハチは猛然と立ち上がります。そうなんです。いままでも、何度もこんなことが、あったんです。
「確かにマツーはきれいだけど、近づくなってば!」
はちだとかあぶだとか……きれいでいいにおいがするマツーには、なぜだか色んな虫が寄ってくるんです。
必死の警告なんて聞こえないように、はちの群れは一直線にこちらに向かってきます。
アカハチは傍らに落ちていた長い流木を拾って、剣のように構えました。
リウクー一の剣術使い(って本人は言っています)、ナリヤ鍛冶仕込みの剣の技があれば、小さなはちの群れなんて……まあ、多分、大丈夫でしょう。
はちの群れが「何だおまえ、邪魔するなよ」という顔をして眼前まで迫ってきます。アカハチは奥歯を噛みしめて、ぐっ、と流木の剣を握ります。一触即発──そのとき。
「むにゃむにゃ……喧嘩しちゃ、だめだよう……」
マツーが寝言を言いました。
「何言ってんだよ! 戦わなきゃ、こっちがやられちまうぞ!」
そんなアカハチの声に応えるように、マツーは口をむにゃむにゃさせました。
そして、マツーの口から聞こえて来たのは──「る るる ら……らん」というやさしい歌。空気に広がった甘くて優しい旋律に、はちの群れが酔っぱらったようになって、ふわわん、ふわわわん、と変な飛び方をはじめます。
「よしっ、いいぞマツー! そのまま追っ払っちまえ!」
ふわふわ飛ぶはちが、おっとっと……という感じで、アカハチの方に飛んできました。そしてそのまま、ぷち、と嫌な感じ。
酔っぱらったはちが一匹、アカハチの二の腕を刺してしまったのでした。
「……~~‼」
かわいそうなアカハチは歯を食いしばります。だって、ここで声を出したりしたら、マツーが起きてしまうかもしれませんもの。こんなに気持ちよさそうに寝ているマツーを起こすことなんて、気の毒でできません。
ふわふわ飛び去るはちの群れを見送りながら、アカハチはそろそろと貝の入れ物に入った塗り薬を取り出しました。ナリヤ鍛冶がくれた刀傷用の薬ですけれど、多分はち刺されにも効くでしょう。
ぷく、と膨れたところにふうふうと息を吹きかけていたアカハチの前では、マツーがまだスヤスヤ寝ています。まったくのんきなんだから……。アカハチがちぇ、っと膨れてみせた、その時。
アカハチは、はっ、と顔を上げました。いつの間にか灰色の雲が空を覆っています。お向かいのイリオモテ島から流れて来た雨雲が、あっという間にニシの浜の上を覆っているのでした。
「おいマツー! 雨になるぞ! 起きろってば!」
必死の声にも、マツーは「う~ん」と寝言を言って寝返りを打つだけ。でも、アカハチはいつか聞いたことがあったんです。こうやってぐっすり眠っている人は、別の世界にお邪魔しているから、あんまり話しかけてはいけないって。あんまり話しかけると、帰り道が分からなくなって、こちらの世界に戻ってこられなくなるんですって……。
マツーが帰ってこなかったら……そう思うと、アカハチはぶるっ、と身震いをします。そんなことになったら、アカハチはまた一人になってしまいます。そんなの、考えたくもありません。
アカハチはマツーを起こさないようにそっと立ち上がると、小走りに浜に背を向けて走っていきました。
あとに残されたのは、砂の上でスヤスヤ眠っているマツーだけ。ごろごろ、と雷の音が遠くに聞こえ、やがて、ぽつん、ぽつぽつん、と雨粒がマツーのほっぺたに落ち始めました。
「う~ん」
眉を寄せたマツーの顔を、緑の大きな葉っぱが隠しました。アカハチが大きなクワズイモの葉っぱを持って、息せき切らして戻って来ていたんです。
ぜいぜいと上がった息を一生懸命押さえながら、アカハチは一生懸命葉っぱを支えます。クワズイモの葉っぱは、両手を一杯に広げたほどの大きな葉っぱ。おかげで、ざん、ざん、と降り始めた雨にもマツーは全然濡れません。
でも……アカハチは横殴りの雨にさらされてびしょぬれ。それでも、アカハチはへいちゃらです。マツーがいなくなってしまうことに比べたら、こんなのなんでもありません。
絶え間なく目に入ってくる雨に耐えながら、アカハチは葉っぱの影に覗くマツーの姿を確かめます。
――ああ、良かった。全然目を覚ましていません。スヤスヤと寝息が聞こえてきています。アカハチはほっ、と息をつきました。
アカハチは思いだします。まだ二人が出会って間もない頃のこと。
アカハチはその日もやっぱり、村の子供たちに赤い髪や青い目を囃し立てられていたんです。そうしたら……マツーが猛然とアカハチの前に立ちふさがって、言ったんです。
「僕の友達を馬鹿にするやつは、僕が相手だ!」って。
それから……大変だったんです。子供たちの中には、マツーの弟のナレトもいたんですけれど……。
二人は取っ組み合いの大げんかを始めてしまいました。
年下ではありましたけれど、ナレトの方が体も大きくて、力もうんと強かったんです。だから、華奢なマツーは何度も、何度も掴み上げられては砂浜に叩き付けられて……。でも、止めに入ろうとした他の子供たちやアカハチのことも制して、マツーは言いました。
「これは僕の問題だ! 僕の友達を馬鹿にするやつを、僕が許すかどうかの問題だ!」
傷だらけになりながらも何度でも立ち上がってくるマツーに、だんだんナレトは怖くなったんでしょう。やがて捨て台詞を残して行ってしまいました。
倒れそうになったところを慌てて支えあげたとき、マツーが見せた顔をアカハチは絶対に忘れないでしょう。マツーはにこっ、とアカハチに笑いかけました。
それからマツーはぱたん、と倒れてしまって、アカハチは気を失ったマツーを背負って集落に帰りました。もちろんマツーの家の人達にこっぴどく叱られましたけど、アカハチの心はほかほかと温かかったのです。アカハチはずっと一人っきりで生きてきましたから、こんな風にアカハチのことを一番に考えてくれる人なんて、いませんでした。だから、マツーはアカハチのとても、とても大切な友達なんです。
やがて大粒の雨が止みました。そろそろ、と顔を上げると、雲の切れ間から太陽が覗いています。ヤイマの雨は激しく降ってはぴた、と止まる雨。これでしばらくは大丈夫でしょう。
そろそろマツーも起きてくれればいいのに……。
葉っぱを下ろして目をやると……ああ、やっぱりマツーはスヤスヤ眠ったまま。
「まったく……しょうがねえなあ」
アカハチが一息つこうとした、その時。なんだか嫌な音が近づいてきました。
「……またかよ?」
ズズ……とかゴゴ……とか、海鳴りのような、地鳴りのような音。浜の向こうに目をやったアカハチはびっくりしました。
海が割れています。ニシの浜の透明な波が割れて、白い海底、それに深くなった先の珊瑚の森までが空気にさらされています。
そして、その海の壁を両側にして、遠くから誰かがゆっくりと歩いてきています。
アカハチは息を飲みました。
その姿はきれいな着物を着た、男の人。そして、ゆらーり、ゆらーりと鱗に覆われた長い尻尾が左右に揺れています。
耳の中に直接響くような声がしました。
「儂は竜宮の竜王じゃ。あの時の子供が綺麗に成長したものじゃのう。その子はもらってゆくぞよ」
男の人は口の端を上げて笑います。
茫然としていたアカハチは、はっと我にかえって怒鳴り返しました。
「なに訳の分かんないこと言ってるんだオッサン! マツーは俺の友達だ、あんたになんか渡さないぞ!」
男の人は笑って、ぱちん、と指を鳴らしました。
すると……両側の水の壁からぱしゃっ、ぱしゃっと水しぶきが上がり、次々と空中に踊り出る姿。
「おい……嘘だろ……」
冷汗をかくアカハチの視線の先、宙に泳いでいるのは……。
ごまもんがら。だつ。それに、縞々のうみへび。ああ、それに長いりぼんをヒラヒラさせているのは、かつおのえぼし……。全部、海の怖―いいきものたちです。
「小僧、止めても無駄じゃ。命が惜しくば、そこでじっとしておれよ」
空気の中を泳ぐ海の生き物たちが、みんなしてアカハチを睨み付けます。
「畜生……っ!」
アカハチの背中を冷汗が伝います。ごまもんがらの牙がカチカチ言います。うみへびがぱかっ、と口を開け、毒牙が覗きます。
その様子を満足そうに眺めながら、男の人──竜王のおじさん──は悠々と歩みを進めます。
「マツーは……」
アカハチはぐっと拳を握りしめます。
だつの長いくちばしが煌めいて、かつおのえぼしの真っ青な風船がきらりと光ります。
「マツーは……っ」
動けないアカハチを見て、竜王のおじさんがにや、と笑います。
アカハチの頭の中で、何かが弾けました。
「マツーは俺の、大切な友達だ!」
その瞬間──竜王のおじさんと、海のいきものたちは驚きに目を見開きました。
アカハチが、瞬きの間に流木の剣を構えていました。そして、ひらめく剣から繰り出されたのは──。
「こ、小僧! まさかお前ごときがその技を……⁉」
「俺のマツーは、渡さない!」
ひゅ、という音。
竜王のおじさんと、海のいきものたちが悲鳴を上げます。
剣が触れてもいないのに、竜王のおじさんと、海のいきものたちは、剣が放った衝撃でぽーん、と遠く遠く、遥か海の遠くに吹き飛ばされて行きました。
「小僧! よくも虚仮にしてくれたな! この借りは必ず返してもらうぞ!」
海の彼方に飛ばされてゆくおじさんの、怒りに満ちた声がニシの浜に落ちてきます。
そんなことはお構いなしに、アカハチは震える手で握りしめた流木の剣を見下していました。
「まさか今のは……」
アカハチの声までが震えています。
「真に大切なものを守る時だけに発動するという、真・ベスマ斬──⁉」
アカハチの顔にじわじわと喜びが広がってゆきます。
「マツー‼ 起きろよ! 俺、ついに真・ベスマ斬を習得したんだ! 何度師匠に教えられてもできなかったのに……!」
う~ん、むにゃむにゃ……、と言ってから、マツーは返しました。
「アカハチ……戦いをやめるんだ……戦うな……」
眠りながら眉をしかめるマツーに、アカハチはぽかん、として、それから苦笑いしました。
「そうだな。お前は戦いは嫌いなんだった」
必殺技のことは、アカハチだけが知っていればいいことですものね。アカハチは流木の剣を砂浜に置くと、マツーの横にしゃがみ込みました。
ちょっとの間寝顔を見ていますと、マツーはいきなりぱちっ、と黒目がちの目を開いてアカハチを見上げました。
「あれっ、アカハチ? もう夕方なの?」
「まったく……おまえはのんきでいいよなあ」
なんだよ、とマツーは口を尖らせます。
「そんなことないよ。今、夢の中で大変だったんだから」
アカハチは、ははっ、と笑います。
「夢ぇ? どんな夢だよ?」
「笑うなよ! いいか、大人になった僕たちが戦うことになって…」
アカハチはまた一つ、明るく笑います。
「そんなこと、あるもんか。だって俺たちは……」
そこでアカハチは言葉を切ります。
「なんだよ? 言えよ?」
マツーの言葉に顔を背けるアカハチの耳が、真っ赤になっています。
「…………友達、だからな」
ようやくぽつん、と言ったアカハチの言葉にマツーはぽかんとして、それから弾けるように笑い出しました。
「今さら何言ってるんだよ! そうだ、僕たちは友達だ。ずっと、ずっと、これからも」
初めて会った日の時のように、マツーはアカハチの手をぎゅっ、と握るとぶんぶん、と上下に大きく振りました。
「さあ、帰ろう。僕、たくさん寝たから腹ぺこだよ。果物を探しながら帰ろう」
アカハチも、くしゃっと笑います。
「そうだな。どっちが先に見つけられるか競争しようぜ。まあ、俺が勝つけどな」
「言ったな!」
「言ったさ」
アカハチとマツーは見つめ合って、それから吹きだすと駆けだしました。
二人の笑い声が、夕陽の落ちるニシの浜に弾けます。
遠い遠い果ての珊瑚の島の、二人の少年のお話です。
《おしまい》